私の照れ隠し、普段の貴方


FGO、エミヤ夢、恋人設定。



*私の照れ隠し、普段の貴方*



「エミヤ休憩中ごめんね、どうしても聞きたい事がーーーっ」


エミヤの顔を見た途端、語尾が尻窄みになっていった私に、彼が不思議そうな顔をした。


「どうした?私の顔に何か付いているかね?」

「…あ、あーいや、その…」


吃りつつなんて言ったら良いのだろうと言葉を選びながら、視線を右往左往と泳がせる。
いや、別に疚しい物を見た訳では無いのだから気にしなくて良いのかもしれないが、こう、普段と違う彼の姿を見るとそれに触れて良いのか、良くないのか判断に困ると言うか……いや、ただ単に私が照れて彼を直視出来てないだけなのかもしれないが、ああ、なんて考えていたら顔が熱くなってきた。もうコレは確実に顔が赤くなっている。困ったぞ。

そんなこんなでうんうんと吃り、唸る私の心情を知ってか知らずか、聡い彼は「ああ」と頷き納得の言った様な顔をした。


「もしかして、コレの事かね?」


彼がコレと差した物体に対して、ブンブンと思いっきり頷いた。


「い、意外だな…と思って、その、エミヤが眼鏡するなんてさ、しかも格好もなんか普段と違ってラフだし…」

「そうかね?私だって眼鏡を掛けたい、楽な格好をしたいと思うことだってあるさ」

「そ、そう、なんだ…」


いつもとは違うラフな格好に眼鏡姿が余りにも似合い過ぎて居て、格好良くて、私は先程同様ソワソワと視線を彷徨わせる。
それ見た彼がクスリと笑う気配を感じて、更に私は赤面する。ううっ、こっちが焦って恥ずかしがって死にそうになっている姿を面白がってるに違いない…なんて情けない姿を晒しているんだ自分は…、と後悔というか余りの羞恥心で消えてしまいたい、穴があったら入りたい状態になっていると、「名前…」と優しい声音で私を呼ぶ声が聞こえた。


「な、なに…?」


恐る恐る視線を彼に合わせると、


「おいで、名前…」


と、柔らかく微笑みながら、両腕を広げていた。
私はええい!もう!どうにでもなれー!!な精神で、そのまま彼の腕の中にダイブして行く。


「これはこれは、君にしては随分と大胆に来てくれたものだな…」


まるで喉の奥で笑いを咬み殺す様に抑えた声で喋りながらも、己の両腕でしっかりと私を抱き止めてくれた。
それに嬉しく思う反面、気恥ずかしい思いは拭い切れていない。エミヤに抱かれ、誘導されるままに彼の膝の上に正面から座らされた私の身にもなれ!
私は照れ隠しのつもりで彼の胸元にグリグリと額を押し付ける。

「名前、くすぐったい…っ」と最早我慢する気のない笑い声が上から聞こえて来るが無視だ。


「ああ、そうだ名前、私の眼鏡を外してみてくれないか?」

「え?良いけど…はい、外しーーーっ」


彼のいきなりのお願いに少なからず疑問を抱きながらも、言われた通り彼の眼鏡を外す。すると、眼鏡を外した途端、グイッと力強い腕が私を引き寄せた。


「んっ…相手が自分の眼鏡を外すのは、キスの催促らしい、だからーーー」

「っ、ふ…っんっ」


腰を強く抱かれて彼の腕から逃れられなくなる。ただ唇を合わせているだけなのに、彼の熱い息遣いと彼の男らしい匂いにクラリと目眩がした。
逃げたいのに上手く力が入らなくて、もうこのまま流されても良いと思っている私が居る。


「ーーーコレは二人だけの合図だ」


妖しく笑った彼がスルリと私の手から先程外した眼鏡を奪い、カタンとサイドテーブルの上に置いた。


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リクエストのエッチッチをさせるつもりだったんですけど、なんか出来ませんでした。ごめんなさい。


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