狂王(犬)注意
クー・フーリン オルタ夢、マスター設定。
※甘くない、オルタ喋らない、微裏注意です。
「あ、おかえーーーー…り、え?」
「行くぞマスター」
レイシフトから帰還したばかりのオルタがズンズンと大股で私のもとに近付いて来たかと思ったらそのまま私をヒョイッと小脇に抱え、マイルームへと歩き出した。
「え?!あ、ちょっと…オルタっ!!?」
「うるせぇ、舌噛むぞ」
ジタバタと暴れてみるがオルタが私を下ろす気配は一向に無く、結果、大人しく連れて行かれるままとなった。
*狂王(犬)注意 - ボツ - *
マイルームに着くなり、ドサッとベットの上へと放り投げられ「ぎゃーっ!?」なんて可愛げの無い悲鳴が出た。
「な、なにすーーーーんぐっ!?」
非難の声を上げるより早く、親指と人差し指を無理矢理口内へと押し込まれ、不意な異物感に視界に涙が滲む
「ふ…っん、んん!」
グチニチと掻き回され、口の端しから唾液が溢れた。溢れた唾液は顎を伝い、喉を降り、汚して行く、勿論突っ込まれてるオルタの指も私の唾液まみれだ。
「はっ、ふっぅん…っ」
息をする事もままならないまま、私は荒い息を繰り返し、必死にオルタに捕まっている事しか出来なかった。
ズルリッとオルタの指が口内から抜かれると、後頭部と腰へと両手が周り、二人の距離を縮める様に強く引き寄せて来た。
そして、頬にオルタの髪が触れ、くすぐったいと思った瞬間、何の前触れもなく耳元の直ぐ近くでーーーブツリッと何かが切れる様な潰れる様な音がした。
音がしたと思った次の瞬間には、首筋へと鋭い痛みが走る。
「あっ、〜〜〜〜っっは…っぁあっ!!?!?」
ぐぅっと喉からの唸り声と共に肺に溜まっていた空気が抜け、私は一瞬、しかし体感的にはかなりの時間息が出来なかった様な気がした。
これでもかという程の空気を肺から吐き出し、酸欠と痛みの所為で霞んだ視界、口から止め処なく唾液が溢れ、脳が痛みの理由を理解した時には私の顔は涙と唾液でグチャグチャで酷い有様になっていた。
「ぐ…ぅ、は…ぁっな、んで…っっ」
睨み付ける様に彼を見ると、口の端に付いた私の血液を嬉しそうに「くくっ」と喉の奥で笑いながらペロリと舐め取った。
そしてそのまま、まだ新血を迸らせている首筋の咬み傷へ舌を這わせジュッと音を立てながら私の血を啜った。
そう、咬み傷。
彼は、クー・フーリンは、オルタは、私の首筋へと噛み付いたのだ。
それはそれは思いっきり、肉を噛みちぎるのでは無いかと言う程思いっきり何のためらいも躊躇も無く。その辺は確かに、彼はバーサーカーなのだと痛感させられた。
私は失念仕掛けていたのかもしれない。
彼がバーサーカーで有ると言う事を、彼が“狂王”と呼ばれている存在で有ると言う事を、私は彼と長く接する内に無意識の内に忘れていたのかもしれない。
「あ…っうっ、ひ、ぃた…っ」
彼の舌が傷口を舐め、血を啜る度に、ビリビリとした痛みが走った。
そのままヌルリとオルタの舌が上へと向けて動き、耳の下の、耳の付け根まで忍び寄って、愛撫する様にチロチロと舌先だけで舐めたかと思ったら、今度は耳の形を確かめる様にネットリと舐め回したり、時には甘噛みもされた。
「あ…っちょっ!や、だぁ…っ!」
抵抗虚しく、するだけ無駄だと知って居ても、暴れずには居られなかった。
痛みに麻痺した脳味噌では、正常な判断なんて出来訳なかったのだった。
「おい、名前」
「な、にーーーーんっ」
「うるせぇから、少し黙ってろ」
何処までも獰猛なギラついた瞳と共に接吻が落とされた。
身震いを覚えたのは恐怖への戦慄からなのか、それとも我知らずに感じていた快楽への期待からなのか……今の私には理解出来なかった。
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