何事もさじ加減 衛宮邸
※衛宮 士郎とセイバーちゃんの場合。
本日、調理実習でカップケーキを作りました!!
…と、いう訳で!!!
「いつもいつもお世話に成ってる衛宮くんにお返しです!!」
おおーという歓喜の声が耳に心地良い。セイバーありがとう、満点だよ、大満足な反応をありがとう…でもね、出来ればそのヨダレだけは我慢して欲しいな…ちゃんとセイバーのは物凄いのあげるからさ。
「な、なんか悪いな貰っちゃって…」
「いやいや、いつも貰ってるのは私の方だから…お返しって事で!」
「そっか、それじゃ有り難く」
遠慮がちに受け取った士郎にカップケーキを手渡すと、期待に目をキラッキラさせたセイバーが私の名前を呼んだ。
本当に可愛い子だなぁ〜
……よし、ちょっとからかっちゃおう!
「名前!名前!」
「んー何?セイバー??」
「わ、私の分は…」
「あ、ご、ごめんセイバー…セイバーの分は……っ」
「い、いえっ!名前すみませんつい貴女のケーキが美味しそうだったもので、私が礼儀を弁えず厚かましかったのです!それに与えるも与えないも貴女次第なんですから…だから、貴女が謝る事では…っ」
見事なセイバーの落胆の声と慌て振りに、私は堪えきれない笑いを隠す為に俯き手で口元を押さえたのだが、余りにその姿が可愛かった為「…ふ、ふふふ…っ」と不気味な笑い声を上げてしまった。
「…名前…??」
私を不思議がるセイバー
あーもうダメだ、可愛い過ぎる!!
今すぐ抱き締めたい衝動を抑えながら、私は鞄からセイバー用のカップケーキを勢い良く取り出し、自分の声に合わせるようにそれを高々と掲げた。
「ジャッジャッジャーンッ!!セイバーの分はなんと衛宮くんのカップケーキの大きさの3倍!チョコと生クリームのデコレーション付き、そして中には味のバリエーションを考え、イチゴとブルーベリーがはいってまーす!!」
「な、なんと!!」
「ごめんねセイバー、つい可愛かったからからかっちゃったー」
「少々傷付きましたが、今回はカップケーキに免じて無かった事にしましょう!あむっムグッモグッ…美味しいです!名前っ!!」
「ふふっそう言って貰えると頑張って作った甲斐があるってものよー嬉しいなー」
通常のカップケーキより3倍も大きなサイズのカップケーキに美味しい美味しいと夢中でかぶり付くセイバーに頬が緩む
気に入って貰えたなら何より!私は大満足なのだ!!
そしてその後、衛宮くんが淹れてくれたお茶を飲みながら楽しい時間を過ごしたのでした。
「名前って意外と意地悪なところがあるんだな…」
「ん?いや、セイバー限定だけど?」
「そ、そうなのか…」
「だってあんなに可愛いんだよ?!そりゃーからかいの1つや2つしたくなるってもんでしょー!!」
「は、はあ…?」
「あぁ…可愛い…そうだ、今度はウエディングケーキを作ってみようかしら…?」
「なんでウエディングケーキなんだ?他のお菓子じゃダメなのか??」
「え?何言ってるの??私と衛宮くんのウエディングケーキに決まってるじゃない?」
「ブフッッ??!!!」
「んぐっっ!!!??」
「な、ななななななんでさ!!!!?」
「い、幾ら名前と言えど今の発言は聞き捨てなりませんよ!!!?」
「あっははははははっ!!!二人共可愛いな〜も〜〜」
「「名前っっ!!!」」
めでたしめでたし。
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