言峰神父からのクリスマスプレゼント





夜遅く仕事終わりに家に帰ると、何故か家の前に言峰神父様が居らっしゃっいました。
その手には見慣れない鎖が握られていてそれはお隣のお兄さんの首に……嫌な予感しかしません。

「こんばんは」

「…え、あ、こんばんは…?」

「今日は君にクリスマスプレゼントを用意した」

「え?あ、…は??」

【クリスマス】その単語を聞いて漸く今日がクリスマス当日だった事を思い出す

「喜び給え、君が前々から欲しがっていた犬だ」

「……え?」

嬉々として語る言峰神父
ジャラリと言峰神父の手元の鎖が鳴る。
あー嫌な予感が見事的中しそうだ、しかもなんかもう完全に予想出来る奴が来そうで嫌だ。

「ほらランサー新しいご主人様に挨拶をしなさい」

「…俺は犬じゃねぇよ」

「お前はそれしか言えないのか」

「それしか言えないのかじゃねぇよ!!逆テメェはそれしかネタがねぇのかよ!!!」

「痛い所を突くな、流石槍兵」

「うっせ!んな事テメェに褒められても1ミリたりとも嬉しくねぇんだよ!寧ろ厭味にしか聞こえねぇっての!!」

「こんな奴だが炊事洗濯家事掃除…雑用だけならなんでも出来る優れモノだ」

「おい、人の話は無視かコラ…しかも雑用だけって何だ雑用だけって、仕事もちゃんとしてるだろうが、俺はあの慢心王よりテメェの役に立ってるつもりだがな、しかも人を物みたいに扱うな」

「如何かね?」

「おい無視か」

「え?あ、要りません。」

「おいむ…っ即決かっ!?即決なんだな嬢ちゃん!!?それはそれで悲しいなあ!!」

「まあそう言わず…」

「いや家お兄さんを養える程生活潤ってないんで、謹んで遠慮します」

「この男収入は持って来るぞ」

「いや、それでも遠慮したいですね。
なんならクーリングオフ制度を使わせて貰います。」

「残念ながらうちはクーリングオフ制度圏外なんだ」

「ブラックな企業じゃん、それ唯の怪しい押し売りブラックな企業じゃん」

「特別待遇と言って貰いたいところだな、よし承知した、今なら何とギルガメッシュもお付けして…」

「あーあーっ!!なんかお兄さん欲しくなっちゃったな!!お兄さんだけ貰おうかなあ!!!!お兄さんだけ!!」

「……」

「それは何より、良かったなランサー新しい飼手が見つかって?」

「スッゲー複雑だわ…」

「……なんかごめん」

そんなこんなでランサーのお兄さんを引き取った(押し付けられた)訳なのですが、言峰神父の言い付けの為、お兄さんは頭に可愛らしいリボンを付け、首からは首輪が外せないみたいなんです。
……あー、うん、言わないよ。
頭にリボン付けて首輪してるお兄さんってかなりイタイなんて言わないから安心して!!敢えて見ない振りするから安心して!!臭い物には蓋するから安心して!!!

「心中お察しします」

「……もう慣れたから、あいつらの暴挙には慣れたから」

遠い目をした彼がいつか報われる事を願ってワンワンランチ(味噌汁にご飯をぶっ掛けたモノ)を差し出した。

「……何だこれ…」

「ワンワンランチ」

「・・・・麻婆よりましだ」




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