略して林檎飴


赤弓夢
ちょっと大人表現有り

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【ウサギ林檎】赤弓視点


林檎を切りながら思うのは、君の事…

特に理由などは無いけれど、真っ赤に染まった赤色は君の様だと思った。
輪郭をなぞる様に触れ撫で上げれば、まるで愛撫の様では無いかと失笑した。

赤く色付いた瑞々しいで有ろう実に、刃物を突き立て二つに切ると、中身は瑞々しく白く透き通り、皮との境界線はほの赤く染まっていた。


その姿はまるで君の肌の様で・・・


一瞬の内に君の柔肌に食い込む己の指や、君の柔肌に吸い付き食らう己を想像して、頬が高揚するのを感じつつ罪悪感に駆られた……悪気があった訳では無いのだ、決して、不可抗だ。

タンタンと4つに切り揃えた林檎をウサギの形に整え切りながら、ヒッソリと心中で君に謝罪した。


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【飴玉キス】


最初に啄む様な優しい口付けを残して、数回の後薄く開いた唇からチロリと覗かせた舌を捻じ込まれ絡めて、私を味わうかの様にねっとりと弄られて、最後についでだとでも言うように私の口内にあった飴玉をこの男は掻っ攫って行った。
軽いリップ音と共に名残惜しそうに離れる唇


「……嗚呼、やはり酷く甘い…」


何処か酷く傷付いた様な物悲しい微笑みと表情でそう言われた。
表情の意味は分からなかったが、そんな事言うなら返してくれと口走りそうになり、んな事したらまた「そうか、ならば返さねばね」とかなんとかでキスで押し返されそうなんで、私は己のポケットを探り彼の口内にある飴と同じ飴の入った包み紙を開けた。


「…私には、甘過ぎる」


彼の呟きを右に聞き流しながら、また新たな飴をひとつ口に放り込んだ。
声音に酷い哀愁が漂っていた気がしたが気のせいだろう。

コロコロと口の中で器用に飴玉を転がした。

その間にも彼は片時も私から手を離したり、隙間を開けようとせず私の肩を抱き、しっかりと密着する様に抱き寄せて来る。


……確かに甘い、

私にもコレは酷く甘過ぎるよ、アーチャー


またも近付いた彼の唇に気付き、私は力強くガリッと音を立て飴を噛み砕いた。

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※因みに林檎ネタと飴玉ネタなんで林檎飴です。


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