触れる肌の熱


赤弓夢、マスター設定。赤弓視点。



*触れる肌の熱*



「熱いぃー…」


薄着で惜しげも無く肌を露出させ、グッタリと床に寝転びながら彼女はそんな事を言う


「……」

「熱いよー…」

「そうだな…」


それに相槌を打ってやれば、色白の長い腕が伸びてきた


「アーチャー……」

「ん…?」


力無く呼ばれ、近付き屈んでやればその腕が首に巻き付いた
しっとりと汗ばんでいると思ったのは気のせいか…


「熱いねー…」

「そんなに言うなら離れれば良かろう?」

「無理…」

「ハァ…」


彼女は熱い熱いと繰り返しながらも、私を離そうとしない。
無論私も無理に彼女を振り解こうとしない。


「熱い…でも、離れたくない……」


熱い熱いと繰り返す割には離れたくないと言う…
可笑しな話だ…


「アーチャー…お願い、ずっと一緒にいるの…」

「………ああ、そうだな…マスター」


しかしそんな可笑しな話を私は心の底から喜んでいる辺り、私はもう既に可笑しいのかもしれない。


回した腕の熱を、回された腕の熱を、


……愛しいと思った。


私はきっとこの熱の暑さを忘れない




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