ウチの子の闘病記録

2020.04.04.Saturday


 ネネ の記録

ウチの状況
フェレット→5匹
犬→2匹
祖母宅に猫1匹
※その内のフェレットのネネ( ♀)の闘病記録です。


2019年
11月18日
脱毛、腰のおできは*副腎と発覚
(*腎臓の病気、ホルモンバランスの乱れ等)

12月18日
*インスリノーマである事が発覚
(*簡単に言ってしまえば糖尿病)

12月24日
一回の薬の投与で、つるつるだったネネの産毛が生え始める。

2020年
1月4日
この頃には、かなりフサフサに生え揃う。

1月17日
鼻腔内の炎症の影響で、口内にも骨、肉を通して炎症が広がり侵食してくる。

2月4日
口内の骨の露出を確認。痛みの為か食欲が著しく低下していく。

2月12日
血糖値低下の影響で脱力状態が続き急ぎ病院へ

2月14日
赤血球の低下の為低酸素状態に陥る。
と、同時に低血糖、腎臓、肝臓の影響でナトリウム、尿素窒素コントロールが出来ず、先生から点滴を勧められる。
このまま処置をせず家に帰り皆に囲まれ息を引き取るか、点滴をしてもらいあともう一踏ん張りしてみるか、悩んだ末、点滴をお願いした。

先生からは助かる可能性も有るが、そのまま頑張れず亡くなる可能性もあると言われる。
覚悟は出来てるつもりだったのに、いざその現実を前にすると涙が止まらなかった。

LISA(PCゲーム)を見ていた影響も有るだろうが、何が彼女の幸せだったのか、どの選択肢が最善だったのか、考えれば考える程分からなくなる。
“私”から見たネネの幸せと、“ネネ”から見た自分の幸せは違うモノであると、思い知らされる。
私の考えは彼女に自分の幸福論を押し付けているだけなのではないか、ただの自己満足で行なっているに過ぎ無い行為ではないか、考えれば考えるだけ、ただただ悲しかった。こんな時程、動物の心が分かれば良いのにと思った事はない。そうすれば、本当の意味で“彼女の最善”を選べたかもしれないのに…

後悔をしたく無くて選んだ選択を私は結局、後悔している。例え私はどんな選択肢を選んでもきっと選ばなかったら方を後悔するだろう。分かっているのに、あの時ああすれば良かった、あの時こうすれば良かったと考えてしまうのは、人間のエゴだ。

実際汚い話をするならば、私は先生に「点滴の際亡くなる可能性が有る」と言われて安心してしまったのだ。病院に居れば先生や看護師さんが最善を尽くしてくれるだろう。だが家にいれば間に合わない、手が尽くせない事が出て来るから見てもらえる方が安心出来ると思ってしまったのだ。
そうすれば少しは私の中の罪悪感が死への意識が薄れるだろうと、思ってしまった。

そしてなりより、嗚呼、これで彼女の死に目に合わずに済むと、思ってしまったのだ。どうせ最後にはどう足掻いても後悔する癖に、直視したく無いと目の当たりにしたくないと弱い私は思ってしまった。
出来る事は全てしてあげたいと思っている癖に、何処か人任せで他力本願な所がある自分が許せない。

矛盾を抱いて、後悔して、何が正しいか迷って、クソ程優柔不断で、どんなに綺麗事を言っても所詮死に直面すれば本性が出るのが自分だなって思った。
こんな事があと4回、犬も合わせれば6回、親と祖母を合わせればあと9回もあるのかと思うと気が滅入りそうだ。私はそれまで正気を保っていられるだろうか?

今はまだ結果が出てないから何とも言えないが、少しでも彼女が楽になる事を祈っている。
彼女は少し頑張り過ぎたのかもしれない。
もう頑張らなくて良いよと言ってあげれば良かったのかもしれない。でもそれが簡単に言えたなら私はもう少しマシな人間になっていた事だろう。

1年と2ヶ月独りぼっちだった彼女を最期は皆で盛大にお見送りしてあげよう。
彼女にはオレンジ色の花をたくさん敷き詰めた棺が似合いそうだ。もう独りで寂しく無い様にしてあげたい。

彼女との思い出で一番印象に残っているのは彼女が初めて家に来た時の事だ。
家に来て初めて小屋の外で遊ばせてあげた時彼女は、ずーっとクックックッと鳴いて喜んでいた。
家に来て1日、2日目にしてミミ(次女)と直ぐに打ち解けた事にも驚いた。その光景が彼女がいままで孤独だった事を物語っている様だった。
それからピノ(長男)とシフォン(三女)が来て、モナカ(次男)が来て、本当に楽しそうだったね。ピノとモナカと3人で遊んでいる時は本当に親子の様だったね。
トイレットペーパーの芯に顔を突っ込んだり、ハンモックを一人で占領してたり、毛布に潜り込む事が好きだったから炬燵や敷布団を敷いた日には貴女が何処に挟まっているのか心配しながら炬燵に入ったのも良い思い出です。貴女は本当に本当に愛らしくて、皆に笑顔をくれました。

ネネちゃん、沢山の思い出をありがとう。
貴女の人生は幸せでしたか?


2月15日
朝 9:13 動物病院から電話が来た。
ネネちゃんが危ない状況だと言われた。
祖母を病院から迎えに行ってから、ネネの病院に行った時間は10時を回っていたと思う。

13時頃、漸く診察室に呼ばれネネと面会が出来た。
最早その時には、意識が殆ど無く、酸素呼吸器無しでは息が出来ないといった状態だった。右手と左足に包帯を巻かれ、左足の方から点滴が入れられていた。
正直言葉を失った。
嗚呼、この子はもう…と一眼で分かった。
私は声を振り絞って聞いた「安楽死…ってどうですか?」と言った先生は「もうほぼ意識レベルが無く、呼吸器無しでは息が出来てない状況です。安楽死だと、この場で注射を打つだけで亡くなってしまいます。この子は多分、この呼吸器を外すと……ですから、お家に連れて帰りませんか?」と言われた。
私は母の顔を見て「ウチに連れて帰ります。」と答えた。それ聞いた先生と看護師さんはネネに刺さっていた点滴を外して、キャリーケースの中に入れてくれた。
この時触ったネネの身体は既に冷たかった。
心臓が動いている筈なのに、呼吸だってしている筈なのに、ネネの手足は身体は、既に冷たかった。

キャリーケースにお迎えに一緒に来ていたミミちゃんと入れてあげ、お会計を待つ。
その間ネネの様子を母と見守っていたが、一度モゾモゾと毛布の中に潜り込んだかと思ったら、見えなくなった。

その後お会計を済ませ、車に乗った際、ネネの身体を抱き上げると既に息をしていなかった。
相変わらず身体は冷たいまま、か細かった息も、小さくだが上下していた胸も、苦しそうな寝息も、もう聞こえなかった。動いていなかった。

13:20頃、車を停めてネネの心臓、呼吸を再度確認するが、既に何もかも停止していた。

涙が止まらなかった。
そしてお会計の時に看護師さんから言われた言葉が頭を過った。
「ネネちゃんね、本当は今日を迎えられるか分からなかったんです。今朝電話した時に、いつ呼吸が止まってもおかしくない状況だったのに、望月さんが来るまでずっと頑張って、待ってたんですよ。」
そっか、ママが来るまで待っててくれたんだね。
良く頑張ったね。辛かったね、エラかったね。
もう頑張らなくて良いんだよ。貴女は充分頑張ったから、もう大丈夫だよ。


今もこうして記録を書いている間も、ミミやモナカ、他の子の寝息が聴こえる度に、ネネが息を吹き返したりのでは無いかと耳を澄ましてしまう。
何度も何度も確認して、もう動かなくなった身体を、冷たくなった体温を優しく撫でる。

私はこの子が死ぬ時怖かった。
もしかしたら死を受け入れられなかった私が、この子の身体に触れる事が出来無いのでは無いかと、不安だった。失う悲しみよりも、受け入れられない弱さの方が恐ろしかった。

でも今は、沢山泣いて、沢山触れて、
この子を、ネネを忘れない様にしようと思う。
ペットは御主人様が泣いていると心配で成仏出来ないと言うけれど、今は今だけはどうか許して下さい。
ちゃんと自分の中で気持ちの整理を付けるから、どうかそれまでは、ママの側で見守っていて下さい。

何が最善だったのかなんて、誰にも分からない。

後悔してないかと言われたら、
私は自分の中で後悔の無い選択肢を選んできたつもりだ。

彼女の身体を抱き締めて、

何度も何度も

「ありがとう」と「良く頑張ったね」と

泣きながら言う。


御休みなさい。
そして、ありがとう。ネネちゃん。



2020.02.15. 15:30.

病院費 総額 194.580円
通院期間   約 3ヶ月

以上の事を教訓に、次の子の事も考えましょう。
可愛いだけでは駄目なのです。
ちゃんとこの子達の為に貯金をして下さい。

ネネちゃんに教えてもらった事を、
これからも続けましょう。

手帳への金額記入、予防接種、定期検診等。
今は乗り越えられなくとも、いつか乗り越えられる日が来ます。ネネちゃんの事を“忘れる”のでは無く、“思い出”に変えてあげて下さい。

愛するとはなんなのか、大切にするとは、その子を想うとは、其れ等全てコレからの、いいえ、この子達を養う上での永遠の課題だと思います。
迷いながら、悩みながら、それでも前に進み続けて下さい。
“残された”のでは無く“託された”のだから。



2月16日
昨日の事が夢なのでは無いかと淡い期待をしていた私だが、再度、小さな棺の中に収まったネネちゃんを見て、また涙が出た。

昨夜、ネネを小さな棺の中へと入れてあげた。
沢山のお花と好きだったお菓子、お腹が空かない様に餌も入れてあげて、母と弟の3人で入れてあげた。

小さく冷たく硬くなった身体を抱き締めて、この子の生の終わりを実感する。

後悔がひとつだけあるとするならば、14日のまだ意識のあったであろうネネちゃんに「もう少し頑張ってみようか?」と言ってしまった事だ。
その言葉通りこの子は私が来るまで独りで病気と戦い続け、頑張ってくれたのだ。だが、私は最後のこの言葉が彼女を苦しめてしまったのでは無いかと後悔している。
動物も同じか分からないが、人間の死の一番最期の瞬間まで残っている感覚は聴力だと聞いた事がある。
この時彼女にも意識が有り、この言葉を聴いていたとしたら、私は彼女に悪い事をしてしまったと思う。この後悔を私は一生抱え続けるだろう。だが、この想いは決して忘れてはいけないモノだと思う。

零(PS2のホラーゲーム)でも言っていた通り“残された”のでは無く“託された”のだ。彼女が大切にしていた他の子達の事を。
だから私はこの子達の為に、ネネの事を教訓に考えて行こうと想う。前に進み続けて行こう。
彼女の事を“思い出”に変えて、共に歩もう。


因みに、母と弟にもこの文章を読んで貰ったら、2人共泣いていた。
それだけネネを大切に想ってくれていたのだと思うと嬉しくなった。と、同時に私の拙い文章が人のナニかを動かせたのだと思ったら少しだけ誇らしくなった。


2020.02.16. 18:00. 終筆.


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