大事な商品!
【響Side】
「…」
何処が可愛いんだ。
人が本気で嫌がってるのにね!←
涙がちょちょぎれてんの。
見えてる?
可愛い可愛い連呼しないで下さいな…。
ずっと言うもんだから、話を反らす為に俺はカメラを持った。
「会長さん、さっきの撮らせて下さい」
「…濡れろって言うヤツか」
「はい。タオルありますんで」
僕も見たい!と花邑隊長さんと立花副隊長さんを引き連れ、バスルームへご案内。
会長さんにはタオル1枚の格好になってもらった。
「何ですか其の羨ましい限りの肉体は…」
腹割れてるよ此の人。
スゲーなおい。←
「何時の間にかこうなってた」
違うよね?
其れ絶対有り得ないから!
何の努力もなしに腹が割れたとか聞いた事ないんですけどっ。
「流石は五月女さま!」
「素敵ですっ」
何処が流石なの…。
早く終わらそう。
そう思ってコルクを捻る。
程よい温度になり、会長さんの上半身がいい感じに濡れた。
髪の毛から滴る水もいい感じ。
「こっち見て下さい」
掻きあげる前をパシャリ。
流し目が何とも言えない色気を…。
「次は髪を掻きあげてもらえますか?」
表情や目線を変えて数枚撮らせてもらった。
其の会長さんを隊長さんたちはうっとりとした顔で邪魔もせず見つめていてくれた。
「有り難うございました。
此処、新しいタオルとドライヤーありますんで」
「嗚呼」
会長さんを残して、リビングに戻るとすぐ隊長さんたちを集めた。
「僕たちの写真取るの?」
「うん。バルコニーに出てもらっていい?」
ちょっと薄暗いバルコニー。
月の明かりが優しく照らす雰囲気が何とも言えない。
書記さんも竜也もやってきて、
「写真、何…撮る?」
「隊長さんたち可愛いので」
「そう?三枝の、が…可愛い」
「はは…有り難うございます…」
苦笑いしか出なかった。
気を取り直して。
最初は久佐凪隊長さんと神谷隊長さんの2ショット。
俺の(←)癒し系ベストショットだ。
此れは確実に癒される!
花邑隊長さんと立花副隊長さんはお色気で行こうかと。
「書記さんちょっといいですか?」
「…?」
書記さんを花邑隊長さんの前に立たせ、
「キスする寸前な所が撮りたいんですよ」
「「…え?」」
「花邑隊長さんは書記さんの唇に人差し指押し当てて。
あ、書記さんの顔は写らないのでご心配なく。
花邑隊長さん、ちょっと目細めて笑って」
「わ、笑うんですか…?」
「クス、って感じで。視線はこっちね」
パシャリ。
「立花副隊長さんはこっち来て」
バルコニーの端っこでおネエ座りをしてもらい、顔は上を向いてもらって。
「ちょっとくすぐったいかもしれないけど我慢してね」
立花副隊長さんの顔のラインをなぞるようにして、指を這わす。
「っ…」
其れをパシャリ。
色気じゃなかったかもしれない。
立花副隊長さんの場合、捨てられた子犬な感じで…。
まぁいいよね!←
「有り難う!いい出来になったっ」
リビングに戻ると、丁度会長さんが出てきた。
「ねぇ響さま?」
「何?」
「文化祭、響さまのクラスは何するんですか?」
…え…言わないと駄目なの?
「僕も聞きたいな」
「遊びに行くよ?」
「俺も行く」
「…何、する?」
竜也に視線を向けた。
ヘルプミービーム。←
すると、竜也は溜息を…
「俺たちのクラスはごちゃ混ぜ喫茶だ」
「…ごちゃ混ぜ?」
「何、其れ…」
「喫茶店は喫茶店だよね?」
「ごちゃ混ぜって?」
「想像がつきません…」
「何をするんだ?」
「コスプレだ。
メイドなんかの女装したり、執事とか」
そう竜也が言うと、一斉に俺を見るメンバーさん。
「もちろん、三枝は何か女装するんだろ?」
「三枝が裏方とかAクラスの人たちが許してくれないもんね?」
何で知ってんの…。
「響さまは何のコスプレするんですか!?」
「…チャイナドレス…」
「もちろんスリット長めでしょ?」
だから何で…。
「色は?どんなチャイナドレスなんだ?」
「其処、まではまだ…」
「絶対、似合う…」
嬉しくないってばぁ…。
「三枝は赤だろ」
「此処は黒でもいいよね?」
「可愛くピンクにしたら?」
「いえ、此処はクールに青がいいですっ」
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