挨拶は大事ですよね

 
「嫌です」

「はぁ?!人が親切に言ってんのに嫌だって…?」

「ナメてんのか…」

親切って違うよ意味。

「筋違いですよ其れ」

俺の言葉に頭にきたのか、2人して俺に拳を向けてきた。

「「何だとテメー!」」

其れを難なく避けて、2人の首を掴んだ。
もちろん、力を入れてね。

「いきなり殴りかかってくるなんて吃驚するじゃないですか」

にっこり笑ってそう言うと2人の顔は段々と青ざめていく。

「や…ろっ…!」

「…っ!」

苦しさに歪んだ顔ってかなり醜いんだ。
此奴らみたいにね。

「僕、謝りましたよね?御免なさいって、聞いてなかったんですか?」

初日だから手加減してやってるんだからね。

あ、でも病院送り以外って言われてんだっけ…。
全部手加減は必要なんじゃん…。

「貴方たちが親切な人なら、余所見して歩いてる人見たら避けて歩きましょうよ、ね?」

喧嘩しても手加減しなきゃなんねぇのか…。
ちょっとつまんないかも。

「今度こんな事があったら、本当に首の骨折りますから」

パッと手を離し、俺はエレベーターに乗り込んだ。

そして部屋へ到着。

ドアに付いてる機械にカードを差し込むと、ピィ、と機械音が鳴り次にガチャリと鍵が開いた。
カードキーを取り、部屋へ入る。

「広いな…」

ドア開けたら直ぐ、20畳ありそうなリビングとキッチンにバストイレ、部屋が2つ。

キッチンには料理が直ぐ出来るように何もかも揃っていた。

2つある部屋、1つは寝室にもう1つは部屋自体が物置みたいな、クローゼットとなっていた。

「先にこのウザッたいウィッグと眼鏡を外そ」

髪を止めているピンを全て取る。
そして、カツラ、眼鏡をリビングにあるテー ブルに置いた。

「さて、パンフレットの続きを読むか」

またまたパンフレットを鞄から取り出した。

「んーと、何々…」

此の学園の建つ山は2つ分ある広さで、頂上に近い山奥。

「まんまだな」

幼〜大まで一貫の学園だ。

幼・小・大は別の場所に設立している…って

「別に一緒でいいじゃん…」

全寮制となるのは中等部からで、此の敷地には中等部と高等部の生徒たちが学び住んでいる。
門から見える2つの建物。

左は中等部で右が高等部。

1Fは1年の教室、2Fは2年、3Fは3年、4Fは保健室職員室購買部に食堂、5Fは生徒会室、6Fは理事長室。

中等部も此れと同じ構図になっている。

そして其の真後ろ。
移動授業教室の建物。
美術室、技術室、音楽室、など移動授業の為の建物。

其の奥。
4階建ての体育館。
1年2年3年が鉢合わせになっても大丈夫なようにかなり大きく作られた体育館。
最上階には温水プール。
此の体育館は中等部と共同で体育が重なってしまう時もあると言う。

「つーか、何て贅沢な…」

其の奥は寮。
左右に建つ寮、左は中等部右は高等部の寮。

「んー…何となく分かったような気がする」

パンフレットをテーブルの上に置き、時計を見てみた。

「もう11時過ぎてる…」

何か作って食べよ…。
あー、俺ね料理は結構する方なんだ。
夏希は下手で、俺が何時も作ってやってた。
親父も其れは知ってるが、俺がいない今どうしてるだろうか… (取り敢えず母親。心配ぐらいしますよね)

「後で電話……いや、止めておこう」

夏希の事だ、また厄介な事言うに違いない!

「ま、俺は俺の心配をして。先ずは飯だ」

昼食を取ってから、夏希が勝手に送っただろう服やら。
道理で少なくなったと思ってたよ、送ってたのね…。

其れを片付けて…と、其の日は部屋から一歩も出ずに過ごした。





翌朝。
鏡に映った自分に

「うん、キモい!」

笑っていた。
黒いウィッグは前髪長いし?
眼鏡なんて、黒渕の分厚いヤツだし…。

「あ…近くで見たら青目だって分かるなぁ…」

濃い青目だから、早々バレはしないだろうけど…。
念入りにカラコンでも送ってもらうか、でも顔を近付けなきゃいいんじゃん。
 

[ 5/73 ]
[*prev] [next#]
[しおりを挟む]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -