鬼神(きじん)ー結城 楓3

 
「だったら二度も同じ台詞を言わせるおつもりですか?」

「何をだ!!」

あー、ムカムカして来たかも…。

「近付くか近付かないかは僕が決める、と言った台詞ですよ」

「あんな事!僕には関係ない!
他の生徒会に 近付こうが僕は知らないよ。
だけど結城さま だけは許さない!」

しつこい…しつこいぞ此奴…。

「あんな事、ね…其れなら僕にも関係ない。
楓の親衛隊だからと言ってそんな言葉を聞く意味は僕にはありませんよ」

「なっ?!」

早く部屋に帰りたいんですがぁ…。

「よくも…折角の忠告を…ヤっちゃって!」

其奴は後ろに下がって、見物ですか…。
まぁいいや。病院送りになんないように頑張りますか!

「こんなガリ勉、直ぐ終わるぜ」

「ダッサイ格好しやがってよ。此れの何処が知り合いなんだか」

其の言葉を聞いて、よりムカついてきた。

「悪かったですね、こんなガリ勉でダッサイ格好してて…
此れの何処が知り合いだって?
あなたたち、ぶっ殺されたいんですか?」

「なんだよ逆ギレか?」

「ぶっ殺してみろよ!」

もう無理。
もう我慢すんの無理。

右にいた奴の顔に蹴りを食らわして、左にいた奴には回し蹴り。

「痛ってぇー!」

「何すんだよテメー!」

流石は不良の溜まり場。
一発じゃ倒れないって所が魅力的だね。
でも、もう我慢の限界だから手加減なしにやらせてもらうよ。
病院に送ってはやらねぇがな。

「お望み通り、ぶっ殺してやりますよ」

立ち上がってない奴らの1人の胸ぐらを掴んで無理矢理立たせて、頬に拳を入れる。

「ッ…!」

そして、もう1人は

「やったなっ!」

背後から殴りかかってくるのを素早く避け、腹に膝蹴り。

「ガハッ…!」

もう一発、よろめいた所に顔へ蹴りを食らわすと其の衝撃で壁へと激突。

「弱いですね…」

溜息混じりに呟いてから楓の親衛隊とか言う奴を見る。
怯えたような表情で、床へ座り込んでいた。

「あの?」

「ヒっ?!」

ゆっくりと其奴に近付いて、胸ぐら掴んで立たせ…いや、持ち上げた。

「昼間もさっきも、生徒会とは知り合いだって言いましたけど、話して何が悪いんですか?」

「ゎ…悪く、な…!!」

「だったら指図しないで下さいよ。
此れ以上ギャーギャー騒いでると、本気で潰しますよ?」

手を離して床に尻餅付いた其奴は、

「ゴホっ…ゴホ、ゴホッ!」

咳き込んでいた。





部屋に帰ってから、携帯を開いてみる。
(※置いて出た)

着信24件 メール5件

「…」

誰だよ、こんなにかけてくるの…。

あ、いたよ。

着信履歴を見てみる。
其れは親父からで…

「やっぱり…しかもついさっきかよ」

今度はメールだ。



――――6/4親父

電話くらい出たらどうだ
---------End---------

――――6/4親父

刹那?寝てるのか?

---------End---------

――――6/4親父

もしかして最中か?

---------End---------

――――6/4親父

刹那も若いな…

---------End---------

――――6/4親父

終わったら連絡しなさい。
大事な話があるから

---------End---------



一部メールの内容はスルーして、取り敢えず電話しますか。

『私だ』

「親父?俺」

『終わったのか?』

「終わってたけど、絡まれてて」

携帯部屋に置いて出てましたから。

「で、大事な話って何?」

親父がこんなに電話もメールも入れるなんて珍しい事だし、絶対何かあるよ。

『大和学園に入ったそうだな』

「うん。無理矢理ね」

『夏希から聞いたよ。理事長が困っているとか』


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