鬼神(きじん)ー結城 楓※

 
行こう、と其奴を置いてエレベーター に乗ると…

「天倉刹那っ!」

奴の叫び声に、振り向いてやる。

「此の学園に何しに来たっ…!」

「さぁ…ご想像にお任せします」

言い終わった瞬間にエレベーターのドアが閉まった。

「主、よいのか?」

「何が?」

「あんな事言ってしまって…」

アレか? ご想像にっての?

だって何て返せばいいか其れ以外思い付かなかったんだもん。

「大丈夫だろ?」

お前らを跪かせにとか、帝国作りに来たとか、言ってないし…。

生徒会専用階に付いて、エレベーターを降りたら…

「…金持ち、ってスゲー…」

赤い絨毯が、敷いてあるんですが…。
何、此の城…?!

「刹那の家にはないのか?」

「赤い絨毯は、ないよ…」

どっちかって言うと、和風だよ、俺ん家。
って言うか普通にねぇって…。

「普通だと思っていたが…」

此れを普通って言う楓の頭ん中を覗いてみたくなったよ…。

楓の部屋は7003号室。 キーを差し込んで鍵を開けて中へ。

そして目に入ってきた空間に吃驚…! 俺の部屋の倍、あるんじゃないかって広さな んスけどーっ!?

「…何回凄いって言わせれば気が済むんだ此の学園は…!」

リビングは見た目20畳以上、キッチンもバストイレも設備でクローゼットなんか、ズラリと横長で3mくらいあるよ…。

デカいキングサイズのベッドが端に置かれてても部屋の狭さを感じない所が、金持ちの部屋っぽいし。

「他の3人もこんな構造になってんの?」

「否、一ノ瀬と斉藤の部屋は此れより少し広めだな」

会長と副会長だからか…?
しかし、此れよか広いって有り得ねぇ…。

アイスを冷凍庫に入れて近付いてきた楓。

吃驚し過ぎて此処に来た理由をすっかり忘れてたぜっ!

「ねぇ楓…」

にっこり笑って楓の首に腕を回した。

「ベッドまで運んでくれるよね?」

そう言うと楓はくすくすと笑って俺の体を抱えた。

「無論だ。しかし、主は軽過ぎる…」

「…そう?」

軽くはないぞ…。
もう少しで体重60になるし…。

「もっと食べる事だ」

「食べてるよ!」

抱えられた侭、ベッドに座る楓。
跨ぐ形にして自分の服を脱いで床へ落とす。

「太らないんだよ」

食べても食べても此れ以上。
カロリー高いの選んでるつもりなんだけどな…。

「楓たちみたいに背も高くて筋肉付いててガタいがよかったらなぁ、なんて内心思ってるけどね」

そして、楓の服にも手を掛ける。
自分と同じように脱がして床へ落とす。

相変わらず、いい筋肉してるよな此奴。
腹割れてるし…マッチョとまではいかないけどいいガタいしてるよ。

「其れでは主が可愛くないであろう…ムサイ主は嫌だ。見たくない」

其れは俺だって思ってるよ!
ムサイって、そんな男臭くなりたいなんて俺言ってねぇじゃんっ!!

「俺は格好いいって言われたいの!」

「綺麗や美人では駄目なのか?」

いや、駄目って訳じゃないけどさぁ…。

「男だから格好いいって一回くらい言われたいし…」

「人は其々だぞ」

楓たちはいいよ。
毎日格好いいのキャーの(男から)言われてるから…。

「ムカつ…っん」

急に楓からキスされた。
直ぐにヌルリ、と舌が入って来て俺の其れを犯す。

流しやがって、楓め。

「あ…ん…っン…」

あ、でもキス上手いな此奴…。
前よりか更にグレードUPしてるぞ。

少し勃ってきたかも…。

俺は自然と腕を楓の首に巻き付け、自らもキスを楽しむ。

「んぁ…ふ…あ…」

そして、楓の手がスルリ、と腰から上がって来て

「あんっ…ぁ…」

俺の胸の突起に触れた。
ぷくりと勃ち上がり始めの其れに触れた瞬間ビク、と体が跳ねる。

「主は感じ易いな」

くすくす笑われて、楓は俺をベッドへと押し倒した。

「辛かろう…」

俺のモノに布越しに触れる楓の手が意地らしくて…。


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