新しい先生

 
【渚side】

「「…」」

な、なんか…

「…」

「「(物凄く睨まれてる…)」」

教卓には、殺センセーと烏間先生とビッチ先生。
其れと鳴門先生に、

「新しく入った、奈良 鹿丸先生ですよろしくお願いしますねみなさん!」

「…どうも」

黒髪の鳴門先生とは真逆に男!って感じの人。
物凄く不機嫌だけど。

事の発端は、鳴門先生の一言だった。

「俺の連れも此処で働かせようかな…」

「鳴門先生、連れいるの!?」

「いるさ、連れくらい」

昨日そんな事を言っていた。
烏間先生も腕が立つならと暗殺に必要な人材なら構わないらしい。

「じゃあ、明日連れてくる」

「「Σあ、明日!?」」






本当に連れてくるとは、誰1人として思ってなかった。
しかも、超不機嫌だし…。

「彼は鳴門同様、異世界の人間だ」

「「Σえ!?」」

「俺と同じ世界にいた奴で、俺の部下でもある」

「じゃあ、忍者って事ー?」

「そうだ」

「前見せてくれたのも出来る、と言う事ですね。興味深い」

竹林くんが眼鏡を上げながらニヤリと笑った。

「其れにしても鹿丸先生格好いー!」
「あー、私も思った!」
「ち、知的な匂いがします…」

中村さん、速水さん、奥田さんの順で声を上げたら…

「やらないからな…」

「「……………え?」」

ちょっと不機嫌に呟いた声に、一同呆然とした。

「鹿は俺のだから、お前らにはやらないからな!!」

ギュッと鹿丸先生に抱き付いた鳴門先生…。

「「(な、なんか物凄く可愛いんですけど…)」」

え、鳴門先生ってこんなキャラだったの!?

「鳴…」

「鹿…」

見つめ合う2人。
そして、抱き合う2人。

此処、教室なんですけど…。
全員がそう思った。

「カラスマ!アタシたちもイチャイチャしよー!」

「アホか」

何時ものようにビッチ先生を軽くあしらう烏間先生。

そして…

「先生、初めて場違いだと気付きました…」

「「Σ今頃!?」」

「にゅや!どうゆう意味ですか!みなさんっ」

1人取り残された殺センセーが、いじけていた。

「取り敢えず、鹿丸先生には体育教師として烏間先生と鳴門先生のサポートに回ってもらいますので、みなさん仲良くしましょうね!」

「「はーい!」」

鳴門先生に恋人発覚。しかも男の人。

其れにしても、鳴門先生って鹿丸先生の前じゃ全然違ったなぁ。
恋する乙女、そんな感じ。

「ねぇねぇ、鹿丸先生!」

「?」

「鳴門先生の何処が好きなの?」

中村さんの直球が…。
女の子って、本当恋バナ好きだよね。

「全部だな。鳴に対して嫌いな所なんてねぇよ」

「ヒューヒュー♪」

「チョーラブラブじゃん!」

「いーなー、俺も彼女ほしーっ」

「アタシもー!ちょーイケメンの彼氏がほしー!」

そんな会話で教室の中はピンク色となっていた。
1人、触手を除いて…。←

「あ、そう言えば…」

杉野の一言で、教室にいた全員が杉野に注目した。

「理事長って鳴門先生や鹿丸先生の、其の異世界から来たってのは知ってんの?」

「いや、其れは此処にいる人間しか知らない事だ。ましてや、誰かに話した所で信じてもらえるとは思わないがな」

「そうだな、E組だからなぁ」

「逆に信じる奴がいたらビックリだけどぉ」

そうだね。
僕らE組の言う事なんて誰1人として聞く耳を持ってない。

其れは理事長の教育方針。
上に立つ人間に、自分たちより下がいると言う見せしめ。

「理事長って、浅野とか言う男だっけ?」

「アタシ、あの男は嫌いよ」

「ビッチ先生でも嫌いな人間いるんだな」

「いるわよ!其れくらい!」

「痴女なのに?」

「誰でもいいかと思ってた」

ぶわ、と吹き出すみんな。

「うっさいわ!ガキどもが!」

実は僕も理事長の事があまり好きではない。
強者に拘りすぎて、人間を見ていない。
強者の為にある弱者として、精々足掻けとしか思ってないんだろうな。

「どんな男だろうが、俺には関係ないな」

「逆に洗脳してやるか?」

「いいな其れ」

「先生…そんな事出来るの?」

鳴門先生だもん。
普通に出来そうで怖いよ…。

「俺を誰だと思ってる。俺に不可能はない。
自分の支配下に置くのが趣味だか何だか知ねぇが、俺は誰かの下に付くのが一番嫌いだ」

ほらね…。

「「(何となく、分かる気がする…)」」

「そんな事するようなら俺は奴を殺す」

真顔で言うと余計怖いよ!鹿丸先生!!

「「(本当に殺りそうなんだけど!)」」

「其れよりも皆さん、来週はテストなの忘れてませんか??
クラス全員、50位以内を取る事が前提ですよ?」

「「Σええーーーー!?」」

「気にするな、俺たちがバックアップしてやる」

「でも鳴門先生とか鹿丸先生こっちの問題分かるの?」

異世界の人間だって言ってたのに…。

まさか…!

「「あんなもん、一回見たら頭に入る」」

僕たちは其れを聞いて、言葉を失った…。
其れと同時に泣きたくて仕方なかった。

「罰ゲームあるからな」

「「Σええええ!?」」

「当たり前だろう、危機的状況に落とさないと必死にならねぇだろ」

「ま、其れは何れわかるとして…」

どうしよう…!
何だか物凄くいやな予感しかしないよ!!

「暗殺の方も、気を抜かずいくぜ」

「がんばりましょうね!みなさん!」

出来るのかな…。


End…

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