「・・・はぁ」

ため息と共に集中力が切れ、視界が広がり、無意識に状況を理解しようとする。
私は誰だか知らない人の腕を持っていて、ぶらんっと揺れている。文字通り、腕しか持っていなかった。

また、私の前にいた相手が銃を私に向けたところから記憶がない。そこから私は何をしていたのかは状況をみて何となく察してしまう。

最近銃を持った黒服の集団に会いやすい。時間など関係無しに人目につかない場所に連れて行かれ、一方的に相手が向かってきたところで記憶が無くなる。
気が付けば今みたいに私以外は立ってない。
私が拘束されている状態の時あったが気が付けば私だけが立っていた。

だから嫌でも理解した。これは私が行ったことだと。
幸い、人目についてないから騒ぎになっていなく、私は普通に学校に通うことができている。そう。私も学生で一般人だった。


「ねぇ、終わった?」


そして、この状況になると必ず聞く声にゆっくりと振り返る。この人が主犯なんじゃないかと思うぐらいの遭遇率に疑っているところはある。

血のついたトンファーを持って、何やら機嫌が良さそうで、会いたくない彼もいつからか居たらしい。
私の意識はまだ周りに向ききっていなかったようで、彼に気がつかなかった。早く立ち去るべきだった…。

「・・・雲雀恭弥」
「苗字、処理は風紀委員がするよ」
「はぁ・・・。毎回すみません」
「だから君は僕と戦って」
「いや、ちょっと言ってることが良くわからない」

毎回毎回これだ。だから、が何処と繋がっているのかよく分からない理不尽なこの人は最初に私の戦っている…というか、暴走しているのを見てからずっと言ってくる。並盛り中の生徒だということもバレているのか名前も知られていた。

「・・・毎回言いますが、嫌です」
「僕も毎回言うけど、それは何で?」
「多分、殺しちゃうから」
「僕を草食動物と一緒にしないで」
「だって、仮にも並盛の秩序さんを殺すわけには」
「仮じゃないから」

被り気味で言われた。
彼が強いのは私だってよく知っている。生まれも育ちも並盛だし、嫌でも知っている。そんな彼でも、意識の無い私は殺してしまうんじゃないかと怖い。自分で制御できないから殺してしまったら私は自分の力がただでさえ怖いのに更に怖くなる。

我ながら苦い顔をして彼を見ていたら「名前」と呼ばれた。

「僕を殺すかもだなんて本気で思ってるんじゃないよね」
「思っているから言っているんです。もしも、があるかもしれないじゃ無いですか」
「君には僕を殺せない、だから安心して来なよ」

安心なんてできるわけないでしょ。
私はお疲れーとその場を逃げた。



このパターン、今回で7回目なので諦めて!
と、言っても並盛の秩序はまたね、と諦めていなかった。





雲雀に絡まれる



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