追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


待ち受け2





あ、またこんなところにスマホ置きっぱなしにしてる。飛雄くんはあまりスマホに執着がないのかそこら辺にすぐ放置してしまう癖がある。飛雄くんのスマホを返そうとした時に画面に触ってしまい待受に戻ってしまった。

「な!え?!待って、これ」
「あ、やべ」
「何でこれ飛雄くんが、ってか、だめ!見られちゃう!」
「えー、でもこれ付き合う前っす」
「そういう問題じゃないよ!」
「しかも付き合う前からこの待ち受けなんで」

頭痛がしてきた。たまたま目に入ってきた飛雄くんの待ち受けがわたしとのツーショットで、しかもこれバレンタインの時の急に撮ったやつじゃん!もー!と怒りながら飛雄くんを見ると、怒られてるとはとても思えないようなにやついた顔でこちらを見てる。

「これ、何で持ってるの?」
「なまえさんの友達がDMで送ってきてくれました!牛島さんの!あの人!」
「は〜〜〜〜〜?!聞いてない!聞いてないんだけど!てかそれ絶対誰かに見られてるよね?!」
「宮さんに見られましたけど、付き合う前なんで」
「いやだから飛雄くんのその付き合う前はセーフみたいなの何?どっちみちファンとのツーショットはアウト!」

こら!と怒りながら飛雄くんの横にぼすん、とこしかける。飛雄くんはまだ嬉しそうに笑っている。

「あの、じゃあ、待ち受け変えるんで」
「ダメだよ」
「まだ何も言ってないっす...」
「飛雄くんがその笑顔の時は良くないこと考えてる時って学習したので!」
「ダメ、すか?」

そしてわたしは飛雄くんのこのおねだりモードにめっぽう弱い。最近は多分飛雄くんもそのことに気づいてる。じりじりと距離を詰めてくる飛雄くんに、ソファの端まで追いやられる。「なまえさんになかなか会えなくて寂しい」「なまえさんの顔見たら元気出る」なんて甘いセリフを耳元で囁かれわたしは首を縦に振るしかなかった。ずるい。

「じゃあ撮りますよ、ほら、もっとこっちきて」

こんなにくっつく必要なくない?そう思いながらも気づけばほっぺたがくっつきそうなほどの距離になる。「近くない?」と飛雄くんの方に話しかけようとした瞬間、唇が重なりシャッター音だけが部屋に響いた。

「今のは、なまえさんが悪ぃだろ」

悪戯っぽくそう笑ってみせる飛雄くんが可愛くて愛おしくて、思わず怒ってしまうのを忘れた。その後ちゃんと撮り直して、飛雄くんの待ち受けもバボちゃんに変えておいた。
なかなか会えないけど、飛雄くんとの写真を見たら確かに元気になるし、いいんだけど、もっと会いたくなるね。なんて電話で言ったら飛雄くんに怒られたのはまた別の話。




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