追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


旦那さんの友人達





「なまえさーん!こっちです!」
「わ!お疲れ様です~~!」
「今日ありがとうございます...!」
「いえいえ、誘ってもらえて嬉しかったです!」

たまたま東京で月島くんの試合があるということで、チケットが1枚余り今回は声をかけてもらっていた。飛雄くんの試合がある日だったら遠慮していたんだけど、今日はたまたま試合もなくテレビ関係の仕事の日だったので心置きなく会場に来ることが出来た。飛雄くんには内緒だが、実はアドラーズの追っかけをしてる時もたまにこうして他のチームの試合を観に来ていたことがある。今日の試合は「仙台フロッグスVS たまでんエレファンツ」でたまでんの方には金田一くんもいており、なんだか面白そうな試合になりそうだなとわくわくしていた。

アップしている月島くんに山口くんが「ツッキー!!!」と声をかけると、とてもわかりやすく顔を顰めていてわたしは隣で笑ってしまった。月島くんの隣にいる大柄の選手がこちらに満面の笑みで手を振っているので、誰だろう...とスマホを見比べていると見覚えのある選手だった。

「!もしかして、伊達工の黄金川くん?」
「そうです!今ツッキーと同じチームで、ツッキーがあいつは高校の時と何も変わんないって愚痴ってました」
「あはは、そうなんだ」
「伊達工とは何回も試合したけど、こうやって月島くんが黄金川くんとチームメイトなの不思議な感じします...!」

仁花ちゃんの発言に、わたしも山口くんもうんうんと頷き、相手コートを見る。ちょうど金田一くんもアップをしているようで、この間ウチにご飯食べにきたよなんて話をしているとすぐに試合開始の時間になった。

どちらのチームも初めて見るチームで、どんな選手がいてどんなチームプレーをするんだろうと胸が躍る。仙台フロッグスはやっぱり月島くんと黄金川くんが並ぶと圧巻の高さで、思わずブロックの高さに惚れ惚れしてしまっていた。試合中も「月島くん!ナイスキー!」「ツッキーナイスブロック!」と気づけばたくさん3人で応援していて一瞬で試合は終わってしまった。フロッグスの勝利で試合は終わり、3人でハイタッチをして大盛り上がりしていると月島くんがわたしたちにしかわからないように拳を向けてくれて「かっこいー!」と野次を飛ばしてしまう。さりげないファンサ100点満点なのでは、、、?月島くん目当てのファンもいるようで、これは人気でるよなぁ。とわたしは顎の下に手を置きうんうんと頷きながら月島くんを見つめていた。

山口くんに声をかけてもらい、3人で月島くんのところに声をかけに行く。

「ツッキーお疲れ様!おめでとう!」
「本当に来たんだ...暇なの?」
「来るに決まってるじゃないですか!」
「ハイハイ、ありがとう。影山の奥さんも、ありがとうございます」
「いえいえ...!むしろご友人と水入らずのところにお邪魔させてもらって。試合お疲れ様でした」

汗を拭きながらぺこっと月島くんがお辞儀をする。その後は山口くんと仁花ちゃんと月島くんの3ショットを撮るカメラマンに徹したり、お言葉に甘えてわたしも一緒に写らせてもらったり。帰ったら飛雄くんに自慢しちゃお!と思っていると、セッターの黄金川くんが近づいてくる。

「烏野の人たちだー!久しぶり!元気?」
「元気だよ!ツッキーがいつもお世話になってます」
「俺の方がめちゃくちゃ世話になってるよ!」

あははと大きい声で笑う黄金川くんは、わたしと目が合った瞬間月島くんに耳打ちをしていて黄金川くんが何かを言い終わった後急に月島くんが声出して笑い出すのでみんなで驚いて月島くんを見る。

「き、君...影山に殺されるよ」
「え?!なんで影山?!え、影山って俺の知ってる影山?」
「この人は影山の奥さん」
「あ、はじめまして。影山なまえです...!」

ぺこ、と頭を下げると黄金川くんはどうやら月島くんの奥さんと勘違いしていたようで「いつの間に結婚して子供いたの...?」とさっきは月島くんにこっそり耳打ちしていたそうだ。伊達工の試合も見たことありますよ、と伝えると嬉しそうに笑顔で話してくれる黄金川くんが可愛くてすっかり癒された。そのままみんなでまだ話しているようだったので、わたしはきょろきょろとあたりを見渡し目当ての姿を見つけその場を少し離れることにした。

「金田一くん!お疲れ様です!」
「おー、っ、え?あ!影山の...!」
「今日実は月島くんの応援にみんなで来てて、この間は遊びに来てくれてありがとう」
「お、おっす。影山も来てる、んすか?」
「飛雄くんは来てないよ。金田一くんのバレーしてるところはじめて見たけど格好良かった!また機会があったら見に来るね」
「あ、アザス!」

金田一くんと話していると、フロッグスの京谷選手が声をかけてくれる。

「金田一、元気そうだな。女連れとはいいご身分じゃねぇか」
「いや!そう言うんじゃないっす!この人は影山の!」
「影山ぁ?って、あの?烏野の?アイツそういえば結婚したって言ってたか?」
「は、はじめまして影山なまえです」

そのまま世間話を続けていると、話の流れで何故か金田一くんとツーショットを撮ってもらうことになり2人ともぎこちない写真は、後から見返したら面白くて仕方なかった。

山口くんと仁花ちゃんはそのまま月島くんとご飯を食べに行くそうで、わたしは飛雄くんから「迎えに行く」と連絡が入っていたので会場前で別れることになった。仕事終わりの飛雄くんと待ち合わせをし、晩御飯の買い物をしながら今日の話をしているとどんどん飛雄くんの機嫌が悪くなるのがわかる。もしかして、と家に帰った瞬間飛雄くんに抱きしめられて確信する。

「妬いてる、?」
「当たり前だろ、ボケ」
「ふふ、可愛い」
「うるせぇ、抱くぞ」
「今日はする日じゃないからダメです!」
「はぁ...クソ」

妊娠後期に入ってからは、わたしの体のこともあり体を重ねる日をあらかじめ決めている。最初は飛雄くんが守れるのか心配もしていたが、わたしの体最優先で我慢してくれる飛雄くんにありがたい気持ちで胸がいっぱいだ。嫉妬してくれている飛雄くんには悪いが、今日はスキンシップで我慢してもらうしかなかった。

飛雄くんは嫉妬しながらも聞かないのは嫌だったようで、難しい顔をしながら今日の話を聞いてくる。月島くん達と撮った写真や、金田一くんと撮った写真を見せると「は?ずりぃ」と後ろからぎゅっと力強く抱き直される。

「んで、楽しかったのかよ」
「んー?楽しかったよ」
「あ、そ」
「でも、飛雄くんの試合早く見たくなっちゃった」
「...あそ」
「にやけてる?」
「にやけてねぇ...!こっち見んな」

振り返ろうとするが、飛雄くんの顔がぐっと近付いてきて邪魔される。にやけてる顔をよほど見られたくないのか、わたしはそのまま肩に乗っている飛雄くんの鼻にキスをすると飛雄くんからお返しと言わんばかりに鼻をかぷりと噛まれる。

「あ、食べちゃ、や」
「先になまえさんが食ってきたんだろ」
「わたしは食べてないもん...!」
「ん、」

飛雄くんがわたしの顔を自分の方にぐっと動かし、優しくキスをされる。蕩けてしまいそうなくらい優しいキスで、わたしも片手を飛雄くんの頬に添えて何度も繰り返した。

「俺も今一緒に写真撮ろうと思ったけど、やめた」
「ん、なんで?」
「そんなやらしい顔してるなまえさん、誰かに見られたくねぇ」
「...バカ」

飛雄くんはスマホで誰かと連絡を取っているようで珍しいなぁ、と思っているといきなりトーク画面を私に見せてくる。

ーこの人は俺の嫁。

そう送っている先は月島くん、黄金川くん、金田一くんの3人のグループらしく前に撮った飛雄くんとのツーショットが送られておりびっくりして声も出ない。

「え、な...!」
「もう間違えねぇように教えとこうと思って」
「ば、バカ!ダメ!取り消し、して!」
「もう既読ついてるし意味ねぇだろ」

飛雄くんのスマホに「ご馳走様」「ごめんな!影山!もう覚えたから大丈夫だ!」「お前勝手に送って奥さんに怒られるぞ...」と返事が次々に入ってくる。

ーまた試合、しよう。

と、飛雄くんは送るとそのままスマホを閉じて寝てしまったが、朝になるとスマホを見ながら怒っていたので何事かと声をかける。スマホを向けられ、寝ぼけ眼で向けられたスマホに目をやるとわたしと月島くんが話してるところを山口くんが盗撮してたらしく「嬉しそうに話してんじゃねぇ!」と朝から理不尽に怒られるのであった。




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