最近我が家ではテレビはオンタイムではなく録画したものを見せたり、タブレットで過ごしたりと対策をしていたが今日とうとうバレてしまった。家で使っているタブレットは有料会員のため広告は出てこないのだが、わたしのスマホで遊んでいた2人はそのまま動画を見ていたようで飛空がしょんぼりした様子で話しかけてくる。

「パパってね、他にいるの？」
「いないよ？」
「ほんと？」
「うん。パパは1人しかいないよ？」

飛空は飛茉のことをぎゅ、っと抱きしめながら話しを続ける。

「さっきパパね、飛空くんとひぃちゃんじゃない人にパパって呼ばれてたの」
「これ」

しょんぼりしたままの飛空と飛茉がわたしのスマホを見せてくると、そこにはやはり思っていた通り飛雄くんのCMが映し出されていた。

「ほら！パパ！」
「ママじゃない！ひぃもにぃにもいない！」
「えーーーっとね、2人はパパのお仕事何か覚えてる？」
「「バレーボール選手！」」
「パパがテレビでカレー食べてるやつこないだ見たでしょ？」

こうなった時ようについ最近子供達に飛雄くんのCMをたくさん見せていたが、本当に見せておいて良かったとほっとする。

「みた！」
「あれもパパのお仕事でね、この動画もパパのお仕事なの。ママの言ってることわかる？」

子供たちは下がり切った眉のままこてん、と首を傾げて顔を見合わせていた。

「パパするのがおしごと？」
「そう！飛空と飛茉のパパじゃない時はお仕事なんだよ」
「そうなの？」
「うん！だからお仕事お疲れ様〜ってパパに言ってあげてね」

2人は「わかった！」と笑顔で返事をして今度はテレビで飛雄くんのCMを見出した。どうやら誤解は無事解けたようで2人は「パパおしごとしてる！」と指を指しながら楽しそうにテレビを見ていた。

飛雄くんが帰宅すると、2人は「パパ！飛空くんにもして！」「ひぃにも！」とCMの子役がやっていたことを真似して楽しそうに遊んでいた。わたしが想像していたより案外子供たちは逞しくて助かった。

「ママ見て〜！」
「パパすごいね！」

そう言って子供たちの方を見るとCMと同じように飛雄くんの腕にぶら下がっていて満足そうだった。その様子を動画に撮り飛雄くんがSNSに載せると瞬く間に大反響でCM効果に合わせて売り上げが伸びたそうだ。