追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


溺愛のお姫様3





「日向お前、この間は随分楽しみだったみたいだなぁ?あぁ?」
「飛雄くんそれヤンキーの絡み方やで」
「ヒィッ...!」
「俺は今日お前をボコボコにして勝たないと気が済まねぇ...」

飛雄はそう言うと、日向に宣戦布告として指を刺して不敵な笑みを浮かべる。なぜなら今日はアドラーズVSジャッカルの試合で、先日の勝利のキス事件以来の対戦であるからだ。観客席には影山一家も来ており、子供達は呑気に「パパ〜!」「翔ちゃん〜!」と名前を呼んではしゃいでいる。

「かっ、影山くん...!この間のはほら、事故みたいなもんじゃない?ねぇ?」
「お前俺の大事な娘のキスを事故にする気か?!」
「あっ、それはそれで面倒くさいパターン」
「死ぬまで感謝しやがれ」
「ハイ」
「ただ、今日飛茉からキスしてもらうのは俺だからな」

そう捨て台詞を吐きながら自分のチームに戻り、試合がスタートする。

結果はアドラーズの快勝で、子供達も大はしゃぎだ。飛雄はずんずんと家族の元へ足を進め、飛茉だけでなく飛空のことも抱き上げ両頬へ勝利のキスを受け取っていた。

「パパかっこよかった〜!!!」
「パパすごかったねぇ!」
「ひぃちゃん楽しかったね!」
「うん!パパちゅよかった!」

なんだかんだ言いながらも、パパっ子な飛茉と飛空を見ながらなまえもニコニコと微笑んでいた。

「日向より俺の方が強い」
「翔ちゃんより?」
「でもひぃは翔ちゃんもすき!」
「飛空くんも〜!」
「で、でもパパが1番好きだよね?」
「「うん!」」

なまえがヒヤヒヤしながら助け舟を出すと、子供達は嬉しそうに「パパすき」と繰り返し言っているのでホッと胸を撫で下ろす。子供達を下ろすと、飛茉がジャッカルの方へ走っていく。もちろん子供のすばしっこさに敵うわけもなく向こうで日向に抱き上げられて満足そうな飛茉が見える。

「飛茉〜!どした?」
「翔ちゃんまけちゃったの?」
「今日はな!でも次は勝つ!」

飛茉を抱き上げながら、笑顔でそう言う日向。飛雄が飛茉を回収しようと飛空を小脇に挟んでズンズンと歩いているが、時すでに遅し。飛茉は小さい両手を日向の頬に添え鼻に「ちゅ」と可愛らしくキスを落としていた。会場からどよめきの声が上がったかと思うと、飛雄からも大きな声で「今すぐ離れろ!!!!!」と叫ばれ驚いた飛茉が号泣するまでがセットだった。

「やっぱり、飛茉って飛雄くんに似てるのかも...」

と、なまえは思うのであった。そしてその一連の様子を井上は頭を抱えながら見ていたとか。




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -