追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


母の日





「「せーの!ママ、いつもありがとう!」」

そう言って2人からカーネーションを手渡され思わず涙ぐんでしまう。

「ママこそ、2人のママになれて嬉しいよ。いつもありがとう、大好きよ」
「飛空くんもママすき!だいすき!」
「ひぃもママしゅき...!」
「俺も、なまえさんが好きだ」

子供たちをぎゅう、と抱きしめていると飛雄くんも混ざってきてわたしの腕の中は大渋滞だった。大きい子供の飛雄くんの頭を撫でるとキスをされ、続いて「飛空くんも!」「ひぃもー!」と子供たちからも頬にキスされ笑顔になる。

「ママのご飯美味しいね!」
「ね!」
「俺は飛空と飛茉が産まれるずっと前から食ってるぞ。いいだろ」
「パパずるい〜!」

こんな幸せな風景が見れて、飛雄くんと結婚して本当に良かったし飛空と飛茉の母親になれて良かったなぁと改めて感じる。飛雄くんが買ってきてくれたケーキを写真に撮ってると、3人からまた「ママ」と呼ばれて振り返る。

「何それ!すごい!」
「ママにね、飛空くんとひぃちゃんとパパで作ったの!」
「ひぃもぺたぺたした!」
「2人とも上手に出来たな」
「っ、あ、りがとう」
「ママ泣いてる!痛い痛いしたの?」
「ひぃがよしよししてあげる」
「嬉しくて泣いちゃったよ〜!痛くないよ、ありがとうね」

心配そうに寄ってくる子供たちを抱きしめて「ありがとう」と伝えると飛空が頭を撫でてくれておでこにキスする。この子は本当に飛雄くんのことよく見ているな、と感心する。

子供たちから受け取ったフレームの中には家族写真と、飛空と飛茉の手形。あとは2人のお気に入りのシールがたくさん貼られていて見ているだけで愛おしくてたまらなかった。左下には控えめに飛雄くんの字で「ママ、いつもありがとう」と書かれていて相変わらず下手な字で愛おしさが更に増す。

子供たちは少し興奮していて、今日はなかなか寝付かなかったので久しぶりに4人揃ってベッドでぎゅうぎゅうになって寝かしつけていた。飛茉は飛雄くんの、飛空はわたしの手を寝る直前までぎゅっと握っていたが2人とも寝てしまい起こさないようにそっとリビングへ戻る。

「飛雄くん、準備してくれてありがとう」
「2人ががこんなに大っきくなったのも全部なまえさんのおかげだから。俺も感謝しかない」
「ふふ、飛雄くんと結婚できて良かった」
「俺も」

涙腺が緩くなってるわたしは、ぽろぽろと涙をこぼしながら飛雄くんに抱きしめてもらい背中を撫でてもらう。腕の中から飛雄くんの頬へ手を伸ばし「大好きだよ」とキスをすると嬉しそうに目を細める飛雄くんが格好良過ぎて息をするのを忘れそうだった。

「愛してます」
「わたしも、愛してる」
「母親のなまえさんも、嫁のなまえさんも、ただのなまえさんも全部愛してます」
「もー、っ、そんなセリフどこで、っ」

止まっていた涙がまた溢れてきて、飛雄くんの指で拭われる。大好きな飛雄くんの綺麗な指が自分の涙で濡れている様子になんだかとても感動してしまって、言葉にはうまくできなかったけど飛雄くんに伝えたくていっぱいキスをして抱き合った。




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