追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


インタビュー





飛空が産まれて2回目の大型連休。去年は飛空と2人で家でのんびり過ごしていたが今年はそうもいかない。大型連休中は飛雄くんも試合が立て込んでおり、わたしと飛空は2人で公園へ行ったり飛空の体力を少しでも削るため大忙しだった。

「ママ!きょうはどこおでかけ?」
「今日はパパの試合観に行くよ〜」
「やったー!!!!」

飛空は朝から大はしゃぎで「パパ!とあくんみつけてね!」と飛雄くんに何度も言っていて微笑ましかった。

会場に着くと、大勢の人に圧倒されたのかわたしの側から離れず足元にぴたっとくっついている。1人で走り出したりしないか心配していたので、その不安はなくなり安心する。

「こんにちは〜」

後ろから声をかけられ、知り合いかと思い振り返るとテレビカメラとアナウンサーの方で思わず表情が固まる。

「本日会場のお子さんに誰のファンかインタビューしてるんですがお子様テレビ出演よろしいでしょうか?」
「とあくんおはなしする!」
「あー、えっと...」
「ママもいっしょにおはなしする?」
「ママはいいよ!飛空くんだけお話しして。あ、お願いします」

飛空はアナウンサーの方と手を繋ぎにこにこでテレビに向かって話しているようだった。

「飛空くん?こんにちは」
「こんにちは!とあくんです!2さいです!」
「お話上手だね〜!今日はママと来てるの?」
「うん!」
「この中に飛空くんの好きな人いるかなぁ?」
「いるよ!!」

そう言って飛空は満面の笑みで飛雄くんの写真を指さして「ね!ママ!」とこちらを振り返ってくる。これ、絶対気付かれてないけど時間の問題だな...とわたしは苦笑いしながら飛空に手を振っていた。

「ママも影山選手のファンなの?」
「うん!ママもとあくんもだいすき!」
「影山選手やはり大人気ですね〜!飛空くんお話聞かせてくれてありがとうございました!」
「ありがとうございました!おねーさんバイバイ!」

「ママ〜」と飛空が駆け寄ってくるので抱きしめると「じょうずにおはなしできた!」とニコニコで「パパに見せてあげようね」と返し足早にその場を去ろうとする。

「奥様もインタビューしても...?」
「ママもパパのおはなしする?」
「あー、えっと...」
「なまえさん!飛空くん、お待たせ!」
「井上さん!お久しぶりです」
「ごめんごめん、これPASSね。飛空くん、今日パパのこと近くで観れるぞ〜!」
「本当無理言ってすいません...!ありがとうございます」

ぺこぺこと井上さんに頭を下げて関係者のPASSを受け取って「それでは失礼します」と呆気に取られてるテレビクルーの方達と別れる。

「良かったんですか?本当のこと言わなくて」
「多分あの人たちバレー興味ないタイプのインタビューの方達なんでいいです」
「はは、それもそうか。こんだけそっくりだったら飛空くん見た時に気がつくよな」
「井上さんこそ取材付き合わなくて良かったんですか?」
「あーいいよいいよ。飛空くんおいで」
「いのうえさんはおしごとないの?」
「こら、井上さん今お仕事中なんだよ?」
「そーそー!パパにママと飛空くんのこと守るように言われてるから俺に任せといて」
「ママはとあくんがまもる!」

井上さんに連れられて席に着くと本当に目の前で申し訳なくなるレベルだった。席に着くと飛雄くんもすぐに入場してきて、こちらに気付いて手を上げてくれる。

そして、テレビクルーの方達はテレビ局に戻ってから飛空が影山飛雄の息子だと他の人に指摘されてなぜ奥さんと息子のコメントもっと取ってこなかったんだと怒られたとか、怒られなかったとか。




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