追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


こどものひ





「パパー!!!」

大声でそう呼ぶ飛空に前はドキドキしていたが最近はわたしもすっかり慣れてしまい、飛空と一緒に遠慮がちに手を振る。

試合が始まると飛空も大人しく観戦して、飛雄くんに釘付けのようだった。「パパすごいね!」「パパかっこいね!」「ビュン!したね!」と鼻息荒く目をキラキラさせ感想を伝えてくれる姿が愛おしくて、膝の上でぎゅっと抱きしめる。

試合が終わると飛空は一目散に飛雄くんの方へ向かってしまい、わたしは慌てて後を追うがすばしっこい飛空を捕まえれず飛雄くんに捕獲されていた。

「ママは?」
「ママあそこ!」
「飛空ちょっと待ってろ」
「や!パパといる!」

飛雄くんは「わかった」と返事をし飛空を抱き抱えたままファンの方と握手してサインを続けていた。飛空も飛雄くんの真似をして手を振ったり握手したり大忙しで。

「飛空くんこれどうぞ!」
「とあくんにくれるの...?」
「え、いいんすか。すいません」
「今日もしかしたら飛空くん来てるかなぁって彼と選んでたんです!」
「子供の日なので良ければ貰ってやって下さい...!」

そう言って飛空はファンの方からおもちゃを頂いたようで喜んではしゃいでいる様子が見える。

「ねー!とあくんね、パパみたいにおえかきできるよ!」
「そうなの?!じゃあお姉ちゃんのこれに書いてくれる?」
「いいよ!」

飛空がファンの方の色紙にサインとは呼べない落書きをしているようで、慌てて飛空を迎えに行く。

「すいません...!飛空、ほらあっちで待っとこ?」
「おねーちゃんとおはなしする!」
「お姉さんはパパとお話しするの。ほらおいで?」
「...おねーちゃんバイバイ」
「飛空くんサインありがとう!またお話ししようね?」
「うん!バイバーイ!」
「ありがとうございます。お邪魔しました...!」
「あ、あの!!」

飛雄くんから飛空を受け取りその場を去ろうとすると男性のファンの方が急に話し出して驚く。

「影山選手と、奥様さえ良ければ5人で写真撮ってもらえないでしょうか...!」
「ええ、飛雄く、あ、せっかくだし影山選手だけで、ねぇ?」
「私からもお願いします...!」
「俺はいいっすよ」
「とあくんもー!おちゃちんとる!」
「あ、SNSに載せるのだけやめてもらったらいいっすよ。な、なまえさん」
「お二方がそれでもよければ...」
「ありがとうございます!!」

井上さんがシャッターを押してくれることになり、飛空をもう一度飛雄くんに抱っこしてもらい5人で記念撮影をする。本当によかったのか不安になるが、目の前の2人はとても喜んで下さってるのでわたしもほっとする。

「息子にまでプレゼントありがとうございました」
「いえいえ!!本当に俺らいつも影山さんご家族が大好きで...!」
「実は影山さんご家族のおかげで私たち付き合うことになったんで!」
「ええ、?!そうなんですか?おめでとうございます」
「だからいつかこうやってお話したくて...今日はいい記念になりました!ありがとうございます!」
「こちらこそありがとうございます!飛空くん、プレゼントありがとうって言った?」
「おねーちゃん、おにーちゃんありがとう!」

飛空が満面の笑みでそう伝えると2人は顔を両手で覆って「可愛すぎる...!」と悶えていたので、本当に飛雄くんのファンで飛空のことも知ってくれているんだなと嬉しくなる。

その後井上さんが飛雄くんと飛空のお揃いユニフォーム姿を写真に撮り公式アカウントで「子供の日にちなんで影山親子に同じポーズを取ってもらいました」とSNSに掲載すると凄まじい勢いで拡散されており、飛雄くんの人気は相変わらず凄いなぁと嬉しくなってしまう。

「起きたらケーキ食べてお祝いしようね」

すっかりはしゃぎ疲れて寝てしまった飛空の頬にキスをすると、飛雄くんが俺にもと強請ってくる。

「ふふ、飛雄くん今日も一番格好良かったよ」
「ん」
「飛空も大興奮でね。ちょっと疲れたけど連れて行って良かった」

そう言って微笑むと、飛雄くんがわたしを抱きしめながらベッドに倒れ込み3人で仲良くぐっすり寝てしまった。




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