追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


お昼ご飯





「ほら、飛空!ご飯ちゃんと食べないと。遊んでるならもうご飯ないよ?」
「や!たべる!」
「昨日は自分のスプーンで食べてたでしょ?」
「ママがいい!」

日によってまだ自分で食べたり、食べさせてもらったりとバラバラな飛空だが今日は食べさせてもらいたい日のようで口に運んであげる。

「飛空くん、はいあーんして」
「あーん...おいちーね!」
「美味しい?よかったぁ」
「なまえさん、代わる」
「え?いいの?」
「俺もう食べ終わったんで」
「ありがとう」

飛雄くんと選手交代し、わたしもご飯を頂くことにする。飛空は久しぶりに飛雄くんとご飯を食べられるのが嬉しいのかご機嫌で完食していた。

「ごちそうさまでした!」
「いっぱい食べて偉かったねぇ」
「とあくん、ママのごはんだいすき!」
「ママのご飯は世界で一番うめぇからな」
「ふふ、2人ともありがとう」

飛空を椅子から下ろし、リビングでそのまま遊んでおいてもらう。飛空はわりと一人遊びが好きなようでブロックを組み立てては崩して一人で楽しそうに遊んでいた。

「飛雄くん、ありがとう。久しぶりにゆっくりご飯食べれてる」
「いや、いつもお疲れ様。それ、うまかったっす」
「これ?食べる?」

そう言って飛雄くんを見ると、口を開けたままこちらを見ている。

「はい、お箸」
「いや。ちげぇだろ」
「えー?ちょっとさすがに、今更恥ずかしい...」
「飛空ばっかりずりぃ」
「飛空と張り合うの...?可愛すぎない...?」

思わず心の声が出てしまい、飛雄くんの可愛さに頭を抱える。

「ほら、早く。あーん」
「うっ...、あ...、あーん」
「ん、うまい」
「もーやだぁ。恥ずかしい」
「誰も見てねぇだろ」

そう言って飛雄くんがわたしの箸を奪い、おかずをつまんでいる。はじめからそうして食べてくれたらよかったのに...なんて思っていると嬉しそうな顔をしてわたしにおかずを向けてくる。

「やだよ」
「あーん」
「えー、待ってよ。ほんとに」
「なまえさん、ほら」
「うぅ...あ、あーん」
「可愛い」

羞恥心であまり味を感じないおかずを飲み込み、恥ずかしさが込み上げてきて顔を覆う。付き合いたてならまだしも結婚して今更こんな恥ずかしい思いをするとは思わなかった。行為にはまってしまったのか、残りも食べさせてくる飛雄くん。恥ずかしいので早く食べ切ってしまおうと早食いになる。

「あー!ママもとあくんといっしょ!」
「っ、ごほっ」
「大丈夫か?」
「ママおいち?」
「う、うん。美味しいよ」
「とあくんもやるー!」
「ダメだ、俺がやる」
「とあくんがするの!」
「パパがやるって言ってんだろ」
「もー!二人とも!喧嘩しないの!ママは自分で食べます!」

飛雄くんから箸を取り戻し、もぐもぐとお昼ご飯の続きを始めると目の前で同じ顔をした二人がしょんぼりしててあまりにも可愛くて笑顔になってしまった。




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