飛茉が2歳、飛空が5歳になり2人で遊んでくれることも多くなり飛空が幼稚園から帰ってきた後スムーズに家事ができるようになりつつある。が、赤ちゃんの頃から薄々思ってはいたが飛茉の人見知りがかなりひどく飛雄くん以外の男の人は話しかけられても反応が薄い。
「ひぃちゃんおやつ半分こね?」
「うん!にぃにこれあげる」
「ひぃちゃんがおっきいの食べていいよ?」
「にぃににあげるの」
「ありがとう!ひぃちゃんは優しいねぇ」
そう言いながら飛空が飛茉の頬にちゅ、とキスをしていて相変わらず仲が良いなぁと微笑ましくなる。飛空は性格もわたしに似てるな、と思うことも多くスキンシップの取り方は飛雄くんに似ていて。いい意味で将来人たらしになりそうな気がする。いや、いい意味なのか?そんなことを思いながら晩御飯の準備をしてると飛雄くんからスマホにメッセージが入る。
「ママー!」
「はぁい?」
「ひぃちゃんが翔ちゃん見たいって!」
「ちょっと待ってね」
最近はタブレットとテレビを繋いで、日向くんの動画を見始るようになり血は争えない...と戦慄している。テレビにご希望の動画を撮してあげると「これじゃなくて、きょうはこづけんみる」と日向くんがコラボしてる動画をご所望のようだった。
「あれ?プレー動画じゃなくて良いの?」
「うん。いいの」
「飛空やってあげてくれる?ママご飯続きしてくるね」
「わかった!にぃにに貸して」
飛雄くんからのメッセージで今日の晩御飯の量が増えることが発覚したので、急いで準備に取り掛かる。途中、飛空と飛茉のチャンネル戦争がはじまったので仲裁に入る。
「喧嘩したらどうなるんだっけ?」
「...ママの好きなやつ見る」
「パパみる」
「見終わったら順番こね?わかった?」
3分ほどの短い飛雄くんの動画を再生して、3人でソファに並んで動画を見る。
「はぁ〜〜〜〜!パパ格好いい...!」
「飛空くんの方がかっこいいもん!」
「?しょーたんがいい」
「飛空も格好いいけど、ママのヒーローはパパだからなぁ〜」
「パパヒーローなの?!」
「そうだよ〜?悪い人がいたら守ってくれるんだよ?」
「パパかっこいい...!!あ、ひぃちゃん!」
「つぎにぃに!さきひぃちゃん!」
「ふふ、飛茉は翔ちゃん好きだね〜」
「うん。しゅき」
そう言いながら動画を見てるとインターホンが鳴り「パパ帰ってきたよ!」と2人を玄関に連れて行く。
いつもならインターホンも鳴らず、飛雄くんだけがかえってくるのだが今日は違う。わたしは後ろから動画を撮りながら玄関に向かう。
「ただいま〜!」
と、我が家に入ってきた日向くんの姿を見て飛茉が大号泣するまであと5秒。