追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


来世のお話





「そういえばなまえさん、結構昔1回だけ男の人と試合見にきてたよな?」

毎度ながら飛雄くんの記憶力には驚かされるし、本当にその彼を連れて行ったのは1回だけなので少し驚きながらも「うん」と返事をする。ちょっと引いてる、ごめん。

「あの人元彼すか?」
「ううん!合コンでバレー好きって言ったら一緒に行きたいって言ったから仕方なく...」
「合コン...!」
「時効だよね?!怒らないよね?!」
「いやさすがにそん時付き合ってねぇし、別に怒んねーよ」

そう言ってはいるものの、飛雄くんの顔は少し険しくて「怒ってるじゃん!」と茶化せない雰囲気だった。怒ってるじゃん〜。

「んで、その後どうなったんすか」
「あ〜。わたしがバレー本気で好きだったのがわかったみたいでその後連絡来なくなったよ」
「そ、すか」

膝枕をしながらする話ではないだろう、と思いながらも少し満足そうな飛雄くんを見ると可愛いな愛しいなと思ってしまい膝に乗っている飛雄くんのおでこにキスを落とす。

「俺もなまえさんと合コンしてぇ」
「またなんか言ってる...」
「合コンもいいし、おんなじ学校も通ってみてぇし、なまえさんに影山先輩って呼ばれたい」
「ちょっとわたしそういうプレイは恥ずかしいかな...」
「何言ってんすか?」

てっきりわたしはコスプレとかそう言う類かと思って、勘違った!と恥ずかしくなる。「いいの、忘れて」と飛雄くんに告げると「谷地さん制服まだ持ってっかな」と言いだすので全力で阻止する。

「まあ、例えばの話だけど。来世も飛雄くんと関わるならわたしは飛雄くんお母さんになりたいな〜」
「あ?嫌すけど」
「だって飛雄くんが産まれてからバレー好きになるまでの過程ずっと見れるんでしょ〜?!よくない?」
「俺の親は共働きだったんで見れねぇすよ。あと母親とは結婚できねぇから却下」
「あ、来世でも結婚は決まりなんだ...!」
「当たり前だろ」

飛雄くんがそう言ってわたしの首の後ろに手を回しキスを要求してくる。この顔が可愛くて、気づかないふりをしてもう一度おでこにキスすると不満そうに「そこじゃねぇ」と呟く。可愛い。

「うーん、じゃあ次は飛雄くんの幼馴染がいいな!隣の家とかに住んでてさ、わたしの方が先に産まれてたら飛雄くんが産まれてからずっと一緒にいれるし!」
「あ〜。でもやっぱ、次はなまえさんの方が年下がいい」
「そうなの?」
「ああ」
「じゃあそこは譲ってあげる〜!歳の差は何個にする?」
「一個じゃ年下な感じしねぇよな」
「三個くらい離しとく?」
「それだったら同じ学校行けねぇだろ」
「じゃあ二個だね!」

飛雄くんの頭を撫でながら話を続ける。

「飛雄ちゃん」
「何ですか」
「なんか幼馴染っぽくない?」
「なまえ」
「あ、今きゅんとした」
「ヤってる時にそう呼んでるから思い出しただろ」
「飛雄ちゃんお下品〜!!!」

飛雄ちゃん、もとい飛雄くんがカバっと起き上がったかと思うと急にたくさんキスをしてくる。あ〜これはスイッチ入ったな、と呑気に考え事をしてると部屋着をいっきに脱がされ快感に身を委ねる。

「飛雄ちゃん...、好き」
「あ〜〜〜〜〜。もう絶対寝かさねぇ」

煽った自覚はあるし、わざとです。

後日家の中で合コンさせられてわたしは何をさせられているんだ...?と一瞬正気になるがバカになった方が勝ちだなとお酒の力を借りて飛雄くんをお持ち帰りしました。何言ってるか、わたしにもよくわかりません。




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