追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


パパといっしょ





「莉緒ちゃん、ヤバい動画が撮れた」

と言うメッセージと共に送りつけた動画の内容は、テレビの飛雄くんを完コピする飛空の動画だった。

「これは英才教育しすぎ」

とすぐに返事が来て今日飛雄くんが帰ってきたら絶対目の前でやらせようと意気込む。

「飛空〜!パパ帰ってきたらさっきのまたやってね」
「いいよ!」
「ふふ、やった〜!」

そう言ってぎゅ、っと抱きしめると飛空も嬉しそうに抱きついてくる。愛しい我が子と少し早めの晩御飯を食べ、あとは飛雄くんが帰ってくるのを待つのみだった。玄関の鍵が開く音がし、飛雄くんが帰ってきた!と2人で玄関へ小走りで向かう。

「パパ〜〜〜!!!!」
「飛雄くん!」

2人で「おかえりなさい」と出迎えると、嬉しそうに飛雄くんが「ただいま」とわたしと飛空へ順番にハグとキスをしてくれるのがいつもの流れだが、今日は飛空の頬にキスした後なぜかわたしにもう一度戻ってきて唇にキスをされ驚く。「したかっただけ」と言いのける飛雄くんが格好良すぎて思わず頬がにやける。

ご飯を食べ終えた飛雄くんが飛空のことお風呂に入れてくれて、そのまま今日はパジャマに飛雄くんのユニフォームを着せる。

「とあくんね、いまからパパするからみてね」
「おう」

そう宣言するのでわたしも「せーの」と掛け声をしてソファに座ったままビデオの再生ボタンを押す。テレビには飛雄くんの姿が映り、試合開始のホイッスルが鳴る。

するとテレビの飛雄くんと、目の前の飛空が同じ方向、つまりわたしの方を見る。飛雄くんはバレーボールを、飛空はおもちゃのボールを持ったままわたしを指差しサーブトスをしてサーブを決める。テレビから「影山!ノータッチエース!」と聞こえると目の前の飛空が飛雄くんのマネをしてガッツポーズをしていた。

「我が子が可愛すぎて、死んじゃうかと思った...」
「ママ!!パパととあくんどっちがかっこいい?」
「飛空の方がかっこよかったよ〜!!!」

にこにこしながらそう告げ飛空をぎゅうぎゅうと抱きしめながらたくさん頬にキスすると飛雄くんの大きい手がわたしと飛空の間を割く。

「今なんて?」
「飛雄くん、大人気ない」
「なまえさんこそ子供だからって甘やかしすぎ」
「パパよりとあくんのほうがかっこいいだって!」

えへん!とドヤ顔で飛雄くんを煽る姿は、まさしく飛雄くんそのもので思わず笑ってしまい飛雄くんは更に機嫌が悪くなる。

「飛空より俺の方がかっこいい」
「とあくん!」
「いーや、サーブトス低すぎるし俺の方が強い」
「ママ〜〜〜!!」
「そうやってすぐママに泣きつくな」
「こら!2人とも、喧嘩しないの」

我が子に真顔でサーブトスの話をする飛雄くんが面白すぎるけど、飛空が泣きそうだったので素早く回収して寝室で寝かしつける。リビングで待っている飛雄くんがそわそわしながら何度も寝室を覗いてきて愛おしいなあと感じる。

「飛空、寝たよ」
「おう」
「飛雄くんさっきのは飛空が可哀想でしょ〜?」

そうやって切り出すと「悪ぃ」とバツ悪そうな返事が返ってくる。飛雄くんの肩に頭を乗せながら「飛空、ずっとパパに見せる〜って練習してたのに可哀想だなぁ」と言い顔を覗き込むと目を逸らされる。

「明日、起きたら褒める」
「うん。ありがとう」
「で、なまえさんの1番は俺だって説明する」
「しなくていいの!もう!」

不満そうに唇を尖らせる飛雄くんの唇を奪い、舌を絡ませると飛雄くんの手がわたしの腰を撫でる。

「わざわざ言わなくたって、飛雄くんが1番に決まってるでしょ?」
「当たり前だ」

次の朝、ケロッとした飛空が「パパにかっこいいって!いわれた!」と嬉しそうに飛び跳ねていて可愛いなぁと朝から癒やされるのだった。




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -