追っかけシリーズ番外編 | ナノ






影山選手の追っかけはじめました。


インスタライブ3





「こんばんは、影山です」
「こんばんは!飛空くんです!ママはごはん作ってて、ひぃちゃんはしょーちゃんの動画見てます!」

飛空が元気よく飛雄くんのスマホに話しかけている。よく似た顔が二つ並んで話している様子が可愛くて、台所からスマホで隠し撮りをしてみる。

「飛空くん可愛い〜、ひぃちゃんこっち来ないの?飛茉は一回日向見たら動きません」
「飛空くん男の子だからかっこいいもん!」

飛空は最近可愛いと言われるのが恥ずかしい年頃なのか「かっこいいってゆって!」とわたしにもよくぷんすか怒ってくる。飛茉はすっかりそれに感化され「にぃにかっこい!」と言ってはおやつを分けてもらったり、おもちゃを譲ってもらったりと妹パワーを発揮していた。

「ママのご飯好きですか?だって」
「すき!ママのご飯だいすき!パパもすき?」
「俺はご飯じゃなくて、なまえさんが好きだからな」
「え〜!ずるい!飛空くんだってママすきだもん!」
「俺の方が好きだ」
「飛空くんもすきだもん!!!ママ〜!!!」
「はいはい、2人とも喧嘩しないの」

ご飯を作りながらわたしも無音でタブレットを開きインスタライブを流していたがコメントに「パパ大人気なくて笑う」「パパ本当可愛い」「パパみたいな人と結婚したい」「飛空くん可愛い天使」「うそ!格好いいよ!」などたくさんコメントが来ていて微笑ましい気持ちになる。
わたしの声も配信に入ってしまったのか、話した瞬間から「ママ来た!!!」「声可愛い」「ママのご飯食べたい」「旦那と息子に取り愛されるママ可愛い」とわたしの話題に切り替わってしまい恥ずかしい。

「なにちてるの」

日向くんの動画を見終わったのか、ぽやぽやした顔の飛茉が飛雄くんの背中によじ登りスマホを覗き込む。その瞬間コメントが明らかに増え、飛茉のファンもいるのかぁとわたしは呑気にコメントを目で追う。

「飛茉ちゃんっていっぱい呼ばれてるから挨拶しろ、ほら」

そう言って飛雄くんがよじ登ってきた飛茉を背中から膝の上に下ろしてスマホを指さして教えてあげていた。3人集まってる姿も可愛くて、またわたしはスマホで写真を撮る。

「みて!」

挨拶しろ、と言われた飛茉がいきなり飛雄くんの膝の上でポーズを取る。わたしからはよく見えずタブレットの方を見るとドヤ顔でジャッカルポーズをしている飛茉が映り思わず吹き出してしまった。

コメントも「可愛い」「笑った」「パパの顔やばい」「日向選手見てる?!」とたくさん来ているようだった。パパの顔やばいと言われてる飛雄くんの顔は確かに不機嫌そのもので横にいる飛空も「パパ顔こわ〜い!」と言ってしまうほどだった。

「かげやまひまです、こんにちは」

飛茉はマイペースに挨拶をはじめ、手を振って喜んでいる。このマイペースさは誰に似たんだろうと面白くなるが、飛雄くん以外思いつくはずもない。

「ひぃちゃんご挨拶できてえらいねぇ」
「えらいねぇ」

よしよし、と飛空が飛茉の頭を撫でてやる。その様子が尊いとコメントでも言われているが確かにその通りでわたしも同じ気持ちで2人を見つめていた。

「パパおこってる?」

飛茉が飛雄くんの方を振り返りそう言うと、飛雄くんは拗ねた顔で「怒ってない」というが説得力がイマイチない。飛茉は飛雄くんの頬に小さい手を置き、自分の鼻を飛雄くんの鼻にくっつけてエスキモーキスをして「ごめんね」と謝っていた。そんなのどこで覚えたんだ?!とびっくりしたが、わたしが先週飛雄くんにやったんだと思い出し子供の前で迂闊なことは出来ないなと焦る。飛雄くんはすっかり飛茉の可愛さにやられ機嫌を直してインスタライブを続行していた。今日も可愛い子供達と、素敵な旦那さんが愛おしくて影山家は平和です。




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