▼ ham様
飛雄くんの隣で飛雄くんの映ってるテレビを見ることはあまりなかったので、不思議な気持ちになりながら2人でソファに座ってテレビを見る。
「緊張した?」
「しねぇ。日向はすげぇしてた」
「ふふ、想像つくかも」
飛空を寝かしつけてから夫婦の時間を過ごすのが最近は日課になっていて今日も飛雄くんの肩にもたれながら2人で穏やかな時間を過ごす。
テレビ番組の前半は宮さんと木兎さんを中心に話が進み飛雄くんはバラエティ向きじゃないしそんなに映らないかなぁと呑気にテレビを見続ける。
「それでは次のコーナー!俺だけが知っている〇〇選手の裏話〜!さぁ、ここからはチームメイトだけが知っている裏話を今日限定、特別にお話しいただければと思います!」
パチパチと真顔で拍手をしている飛雄くんが一瞬映り「可愛い〜〜!」とわたしも思わず拍手をしてしまう。
挙手制で話は進んでいくようで、日向くんが元気よく手をあげる。
「お、さっそく日向選手から裏話が聞けそうですね」
「影山の家こないだ遊びに行ったんすけど、奥さんの料理がすっげーーー旨かったです!!!それでこいつ子供の前とかでも普通にイチャイチャするんでビックリしました!!!」
「と、日向選手からお話ありますが影山選手如何でしょうか?」
「料理、すげぇ旨いです」
「いや!みんな聞きたいの料理の話ちゃうやろ!」
「なんすか?あ、イチャイチャ?しますけど」
「いーーーーなーーーー俺も結婚してぇーーーーーー!」
「ぼっくんはほんまにした方がええで。1人やと早死にするタイプや」
「少しお話が脱線しましたが、影山選手はおしどり夫婦として有名ですが何か秘訣などありますか?」
飛雄くんのアップが抜かれ「あ、かっこいい」と思わず声が出る。これ以上見るのが恥ずかしい気持ちと飛雄くんがなんて答えるのか気になって思わず飛雄くんの腕を強く握ってしまう。
「好きな人幸せにしたいって思ってるだけなんで、別になんか秘訣?とかはないです」
これ飛雄くんのファン100000000人増えるんじゃない?!?!という謎目線で喜んでしまい隣の飛雄くんが不思議そうにしている中わたしは興奮のあまり飛雄くんに抱きつく。
「ふぅ〜〜〜!!」
飛雄くんの発言に大盛り上がりの番組。
「星海選手や牛島選手は影山選手と元チームメイトですが何かエピソードはございますか?」
「あ〜〜、美人だよな!お前の嫁!」
「確かに彼女は顔立ちも整っているし、影山のことを良くサポートしてると思う」
「確かに美人っすけど、俺のなんであんまジロジロ見るのやめて下さい」
「見てねーわ!」
思わず恥ずかしくて飛雄くん体にパンチすると「事実っす」と嬉しそうに返事してくる。
「ではせっかくなので、影山選手から奥様へのエピソードなどあればお聞かせ願えますか?」
「俺のことすげぇ大事にしてくれてます。常に生活が俺中心で回ってるって感じで。今2人目妊娠中でしんどいはずなのにいつ帰っても笑顔でおかえりって言ってくれて疲れ吹っ飛びます。いつもありがとう。あ、でも横に俺がいんのにテレビの俺にかっこいいとか話しかけんの妬けるんでやめて欲しいです」
「それエピソードちゃうくてメッセージやから!!!」
最後は宮さんのツッコミでコーナーは締められ、わたしは恥ずかしすぎて頭を抱える。これはもうおしどり夫婦っていうより、ただのバカップルな気がしてきた。
「名前さん」
「はい」
「いつもありがとう」
「〜〜〜〜!許す、!」
「何をすか」
「なんでもない。わたしこそいつもありがとう。大好きだよ」
そう言ってどちらからでもなく自然に唇が重なり、飛雄くんの手がお腹を撫でる。飛雄くんに応えるようにお腹の赤ちゃんが動き2人でまたお腹を撫でる。さっそくSNSでは飛雄くんのことが話題になっているようで、次の日飛空を連れて買い物に行くといつものスーパーで声をかけられて恥ずかしい思いをするのだった。