影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




何度目かの検診も無事終わり、つわりもかなり落ち着き安定期に入った。気づけば季節は秋に差し掛かっていて肌寒い日々も増えてきた。

海外遠征から帰ってきた後も体調は悪くなる一方で、飛雄くんの過保護に拍車がかかり申し訳ない気持ちでいっぱいだった。急に「ポテトなら食べれるかも」と言い出してしまったわたしに急いで買ってきてくれたり(結局匂いだけで満足してしまって食べれなかった)ご飯がどうしても作れない日は文句も言わずに外で食べてきてくれたり。ご飯が作れない日は食べ物の匂い全般が受け付けなかったので、外で食べて帰ってきてくれるのは正直とても助かった。嫌な顔一つせずずっと吐いてるわたしの背中をさすってくれてうがい用に水と白湯を用意してくれたり。あとは時間が作れる限り何も出来ないわたしと一緒にいてくれて、隣に飛雄くんがいてくれてるだけでこんなに精神的に落ち着くんだなと驚いた。

本当に飛雄くんのサポートがなかったら乗り越えられなかったと思う。

お風呂上がりにベッドで今日の報告も兼ねて、手を繋ぎながらたくさん話した。

「次のジャッカルとの試合、絶対行くからね!」
「無理すんなよ」
「莉緒ちゃんがついてきてくれるから大丈夫!」
「、あのさ」

飛雄くんが後ろからわたしの肩に顔を埋めながらもごもごと言いにくそうに切り出す。こういう時の飛雄くんは大体可愛いことを言ってくるのを最近はわかっているので、飛雄くんにバレないようににやにやした顔を隠すのに必死だった。

「その、名前さんが嫌じゃなかったらつーか」
「うん、なあに?」
「体調良い日で。つか全然、待てるんすけど、その」

歯切れが悪い飛雄くんは普段見れないので、この先何を言いたいかわかってもつい意地悪をしてしまう。

「んー?」
「...、したい、っす」
「う、っ...かわ、いい。今からしよ?」
「オイ!俺が何言いたいか、わかってただろ」

思わず漏れてしまった一言を飛雄くんに聞かれてしまい、後ろから照れ隠しの頭突きをされる。可愛い。え、本当に可愛い。

「わたしも、飛雄くんとそろそろしたいなぁって思ってたから」
「おう」
「優しく、して下さい」
「当たり前だ、ボゲェ」

そう言いながら飛雄くんの手が優しくわたしの服を脱がせていく。いつもより優しい手つきが少し恥ずかしくて、照れ隠しに飛雄くんにいっぱいキスをねだる。久しぶりに触れられることもあり、どこを触られても熱が伝わり心臓が高鳴るのがわかった。

いつもより優しく、穏やかな行為は2人の愛を確かめるには充分なものでゆっくりと世は更けていった。
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