影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




「おかえりなさい」
「ただいま」

毎日恒例になっている玄関先でのスキンシップ。飛雄くんの頬にキスをして、洗濯物を受け取りご飯を食べてる間に洗濯をしてしまう。今日も飛雄くんの食べっぷりは見ていて清々しくて飛雄くんを見てるだけでお腹いっぱいになってしまった。

「まだ体調悪ぃんすか?病院一緒に行くか?」
「えっとね、その、病院には一緒に行って欲しいんだけど」
「大丈夫すか?そんな悪いのに飯、すんません」
「違うの!」

正面から飛雄くんが心配そうにわたしのおでこに手を伸ばして熱を確認してくる。

「結構熱い」
「風邪じゃないよ、それは本当。ちょっとそっち行っても良い?」
「、?おう?」

ご飯を食べてる飛雄くんの後ろに立ち、後ろからぎゅっと体を抱き締める。わたしの回した手の上から手を重ねてぎゅっと握ってくれる。飛雄くんのこう言うところがわたしはたまらなく好きだ。

「多分だけど、赤ちゃん、いるの」
「あ、?」
「わたしと、飛雄くんの」

そう言うと、勢いよく飛雄くんは振り向き至近距離で目が合う。驚きすぎて目を開いて飛雄くんは固まっていた。何かを言おうと、口を開いたり閉じたりしていて思わず昔にもこういうことよくあったなと呑気に懐かしく感じていた。

「お、俺と名前さんの、」
「うん」
「俺達が、親になる、ってことか?」
「そうだよ〜!飛雄くんがパパなんて自慢のパパだよ」
「女?それとも男?!」
「まだ全然そんな段階じゃないよ」

飛雄くんの可愛い発言に思わず笑みが溢れる。飛雄くんの頬に両手を添えキスをして微笑むと、飛雄くんの顔がくしゃりと歪み初めて見るかも知れない本気泣きの顔を間近で見てわたしは狼狽えた。

「だ、大丈夫?!」
「嬉しい、っす。やべ、まじで、っ嬉しい」
「一緒に良いパパとママになろうね」
「おう」

飛雄くんの涙を指で拭ってあげる。恥ずかしそうに飛雄くんは椅子のままわたしを抱き寄せ、見られないようにか顔を埋めて肩を震わせていた。飛雄くんの頭を撫でながら落ち着くのを待っていると真っ赤な目をした飛雄くんがわたしを見上げる。

「俺、今まで以上に頑張ります」
「うん。わたしもサポート頑張るね」
「名前さんはとりあえず俺より赤ちゃん優先しろ」
「ふふ、そうだね」
「とりあえず洗い物は自分でする」
「だめ!指先怪我したら大変だから、わたしがする」
「でも」
「飛雄くんが怪我したらわたしだけじゃなくてこの子も悲しむと思うな」

ダメ押しの一言で飛雄くんは言い返す言葉も見つからなかったようで口を尖らせながら黙っていた。可愛すぎる。写真撮ったら怒るかな。 

今日の飛雄くんはいつも以上に優しくて、そんな飛雄くんをわたしもたくさん甘やかしてあげたくなって寝る直前までいっぱい言葉で愛を伝えあって、キスやハグのスキンシップでも伝え合った。ただ触れてるだけなのに幸せで蕩けてしまいそう、そんな夜だった。
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