影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




散々飛雄くんに泣かされ、もうこれ以上泣くことはないだろうそう思っていると披露宴の終盤また予想してないことが起きる。会場の照明が急に暗くなり、モニターにカウントダウンの数字が。

「影山さん!名前さん!ご結婚、おめでとうございます!今年こそ、春高優勝!」

現役烏野排球部のみんながモニター越しにお祝いしてくれ、手を振っている。飛雄くんの方を見てみると、飛雄くんも驚いているようだった。そのまま映像はわたしの友人や飛雄くんの友人、今日来れなかった人たちがどんどん映し出されていく。

「「parabéns pelo seu casamento!!!」(ご結婚おめでとうございます)
「影山!名前さん、ご結婚おめでとうございます!名前さんに早く会ってみたいデス!以上!ブラジルからでした〜!」

まさか日向くんからも届くと思っておらず、飛雄くんの方を見るとなんとも言えない表情でモニターを睨んでいた。日向くんと現地の方達の温かい空気感が日向くんの人柄を表してるなぁ、とわたしはほっこりしてしまう。

「飛雄くん、名前ちゃん結婚おめでとう!実は俺飛雄くんが名前ちゃんの写真待ち受けにしてる時から2人のこと知ってるねんで〜!まさかこんな早く結婚するとは思わんかったけど、あんなべっぴんさんな奥さんもらえて飛雄くんが羨まし「影山ーーーーーー!!!!!ケッコンおめでとー!!!!!!!!名前さんって人チョー綺麗!!!!!俺も彼女ほしー!!!!!」
「ぼっくん横入りやめてや!まだ俺の時間やねんけど!?」
「なぁ、これ俺もいる?影山とはそんなに親しくないんだけど」
「臣くん?!これ結婚式で流れるムービーやで?!そんな失礼なこと言うたらアカン!」
「なぁ俺どうやったら彼女できると思う?ツムツムは彼女いたっけ?なあなあ!」
「おいこら!何すんねん!俺が映らんやろ!」
「影山、名前さん、ご結婚おめでとうございます」
「なんで臣くん1番いいとこ持っていくん?!」

会場はいっきに笑いの渦に包まれた。わたしも涙が出るほど笑ってしまい、ジャッカルの人達はやっぱり普段から面白いんだなと感心してしまう。

披露宴も終盤に差し掛かり、わたしから両親への手紙も思っていたより緊張せずに読み上げることができた。母より父の方が涙ぐんでるのに気付いた時は少し言葉が詰まってしまったけど、なんとか読み終えることができた。

この後二次会もあるけど、仙台から来てもらってるメンバーは披露宴までで帰ってしまうそうで中々こういう日にゆっくり話すのは難しいものだなと感じる。
 
お見送りに立っていると、烏養さんや菅原くん達が現れる。

「烏養さん!スピーチ受けてくれてありがとうございました!格好良かったですよ〜!」
「おー、おめでとうな!もう俺は結婚式のスピーチは絶対受けねぇって決めたわ」
「コーチ緊張しすぎて最初の記憶ないってずっと言ってて」

菅原くんがゲラゲラ笑いながらそう溢すと、烏養さんは罰悪そうに頬をかいていた。

「影山も名前さんもおめでとうなー!俺まじでめっちゃ感動して早く結婚してーーーって思ったわ!」
「菅原さん、色々相談乗ってくれてありがとうございました」
「可愛い後輩の相談は先輩が乗ってやるのが当たり前だからな〜!ま、俺結婚してないけど!」
「また皆さん東京来られたら遊びに来てくださいね」

次から次へとお見送りで話をしてると、頭がパンクしそうだった。披露宴も問題なく終わり、このあと二次会もあるって正気ですか?飛雄くんと一息つきながらサプライズのお礼を改めて伝える。

「手紙、大事にするね。ありがとう」
「おう」
「飛雄くんがあんな素敵なサプライズ用意してくれてたなんてびっくりしちゃった」
「俺も名前さんが人前でキスしてくると思わなくてすげぇ嬉しかった」
「あれ絶対ムービー撮られてるよね?恥ずかしいなぁ」

事実そのムービーはバレー関係者に瞬く間に広まり、飛雄くんは会う人会う人に弄られたそうで申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
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