影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




家に帰って、いつものように飛雄くんがお風呂を溜めてくれてる間にご飯の用意をして2人で手を合わせてご飯を食べる。幸せすぎる。目の前の飛雄くんが美味しそうにご飯を食べてる時が心から幸せで、結婚してよかったなと思える。心に刺さってた棘が1本抜けるだけでこんなにも気持ちが変わるんだなと実感した。

「美味しい?」
「おう」

口にたくさん入ったまま頷く飛雄くんが子供みたいで可愛くて、飛雄くんの子供...と想像して少し気が早いかと恥ずかしくなった。
そして、食事を終えた飛雄くんに「あのね」と話を切り出す。

「今日ね、テレビ見たよ。嬉しかった、ありがとう」
「俺にはああいうことしか、出来ねぇから」
「本当に嬉しくて、スッキリした。今までいっぱい我慢させてごめんね」
「今まで出来なかったから、デートいっぱいすんぞ。あと試合も見に来い」
「ふふ、わかった」

少し照れ隠しのような物言いに愛おしくて堪らなくなる。

食事を終え、片付けをしていると普段なら先にお風呂へ入ってる飛雄くんがそわそわとリビングを片付けたりわたしの様子を伺っていた。

「名前さん終わった?」
「うん、終わったよ」
「風呂入んぞ」

拒否権のない言葉選びに思わず笑ってしまい、飛雄くんは恥ずかしそうに目を泳がしている。「先頭洗ってて」と告げ飛雄くんを風呂に送り出し、自分もメイクを洗面台で落としてからノックをして入る。飛雄くんは既にお風呂に浸かっていて、掛け湯をしてからわたしも一緒に入る。少しぬるくなってる湯船が気持ちよくて「あ〜〜」と声が出た。

後ろから飛雄くんの腕が回され抱きしめられる。首筋にちゅ、とキスされたかと思えばキスマークをつけられて身を捩る。飛雄くんのキスは止まらずそのまま耳、頬、そして唇へ。リップキスで飛雄くんが止まるわけがなく、どんどん深いキスになっていく。舌が絡みつき風呂場に音が響く。

「んっ、はぁ...んん」
「か、わいい」
「もー。飛雄くん、明日休みじゃないからだめ」
「無理」
「あっ、も、だめだってば」
「俺はあん時名前さんに手振り払われて傷ついたっす」

傷ついた、と言ってるのは口だけでその表情は悪戯っ子そのものでわたしは思わず不満の声をあげる。

「それ、引き合いに出す?ずるくない?」
「ずるくない。名前さんが俺のこと拒否したのが悪ぃ」
「飛雄くんのこと拒否したわけじゃ、ないもん」
「でも俺は傷ついたから慰めろよ」

あっという間に体の向きを変えられて、飛雄くんと向き合ったまま何度も唇を重ね合う。誰が何と言おうと、どこからどう見ても幸せな夜だった。
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