影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




同棲生活も短いもので、今日からは新婚生活に名前が変わる。2人ともどことなく朝から緊張している気がして、家を出て区役所に着く間も少しぎこちない気がした。

婚姻届を2人で提出し「ご結婚おめでとうございます」そう言われてやっと息を吐く思いだった。

「なんか、緊張したね」
「俺も」
「飛雄くん緊張とかしなそうなのに」
「名前さんの緊張が移った」
「わたしそんな緊張してた?」
「なんか朝から、こう、そわそわしてただろ」

飛雄くんがわたしがそわそわしていた様子を真似して見せる。この真似が下手すぎて笑ってしまった。声を出して笑っているわたしの名前を飛雄くんが呼ぶ。

「はい」
「これから、ずっと、大切にする」
「ふふ、ありがとう。飛雄くんがしわくちゃのお爺ちゃんになっても側にいるからね」
「俺も」
「2人でずっと、幸せでいようね」

2人で手を繋ぎながらそう誓い合う。2年前にはじめて話したわたしたちは、まさか2年後の今日こうして結婚することになるだなんて夢にも思ってなかった。

わたしは、運命ってあるんだと最近よく思うようになった。

4年前にたまたま春高をテレビで見てなければ、飛雄くんが春高に出ていなければ、こうして巡り会うことはなかった。そして飛雄くんが東京のチームに入ったからこうして気軽に応援にも行けたわけで。何より、飛雄くんが沢山の人の中からわたしのことを見つけてくれて気になってくれて。何か一つでも欠けていたらこうして今、この人の横に立っていることはないんだなと思うと今目の前にある幸せを心から大切にしたいと思えた。

あまりにも幸せで涙が出そうになる。少し我慢をして歩いていたけど、飛雄くんが急に話し出して我慢の限界が来た。

「バレーは好きだからずっとやってきたんすけど。好きなこと続けてたら名前さんに応援してもらえて、付き合えて結婚できて。俺の全部はバレーが作ってくれてんだなって思った。だから、これからも応援よろしくお願いします」
「飛雄くんのファンになった時から、ずっとずーーーっと応援し続けるって決めてたから!これからもずっと側で、っ応援させて下さい」

泣いてて後半は上手く言葉に出来ず、それでも飛雄くんは真っ直ぐわたしの目を見て聞いてくれる。飛雄くんの好きなところ、たくさんたくさん知ってるよ。でもこれからも、もっとたくさん教えてね?ずっと、側で応援させてね。

わたしの人生を賭けた飛雄くんの追っかけ生活は、まだまだこの先何十年も続けていけそうです。
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