影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




家も無事決まり、引っ越しの目処がついた頃飛雄くんが忙しくなってしまいほぼ1人で準備をすることになった。いい意味で飛雄くんにこだわりはないのでほぼわたしの趣味で新居の準備をすることになった。

正式なプロポーズ後、わたしは職場に婚約したことを伝え正社員からパートに移ることも決まり同じ部署内での再入社のため引き継ぎなどもなくすんなり手続きは終わった。

時間もあったので、自分の家と合鍵を借りて飛雄くんの部屋の引越し準備もすることになる。これは飛雄くんはかなり遠慮していたけど、そんなこと言ってる場合ではないくらいに遠征や試合で忙しそうだったので飛雄くんさえ嫌でなければやるからね。と伝えた結果飛雄くんが渋々折れた。なんでも自分がいる時に家に来て欲しかったらしい。相変わらず可愛いことを言ってくれるので、さくっと引っ越しして早く一緒に住みたいという気持ちが勝って疲れはなかった。

新居への引っ越しはわたしの方が1週間先で、飛雄くんが引っ越してくる頃には普通に生活できるよう準備に徹した。もともとわたしの部屋に置いていた飛雄くんの荷物も運んでいたため、引っ越してから3日後には飛雄くんも新居に帰ってくるようになり同棲はスムーズにスタートした。

「おはよう」
「、っ...はよ」
「走ってくる?」
「おう」

朝飛雄くんを起こして、テーブルの上にはバナナジュースを置いておく。飛雄くんは準備をして大体1時間くらい走りに行くのが毎朝のルーティンで、わたしはその間に朝ごはんの準備をする。

飛雄くんが帰ってきてからシャワーを浴びてる間にテーブルセッティングをして一緒に朝ごはんを食べるのが習慣になりつつあった。朝から飛雄くんが美味しそうにご飯を食べてくれるのを見れると本当に一緒に住んで良かったなと心が満たされる。

「毎朝ありがとうございます」
「こちらこそ、毎朝美味しそうに食べてくれてありがとう」
「無理、してないすか?」
「それがね、びっくりするくらい楽しい!」
「ん、よかった」

アイランドキッチンにしてよかったところは、洗い物をしながら飛雄くんと話せるところ。あと、台所の反対側から飛雄くんがすぐキスしてくるところ。朝は比較的お互いゆっくりできるので、最近は夜より朝に話すことが増えた。

来週はいよいよ入籍の日で。2人で相談した結果、初めて話した日に籍を入れようと決まった。もうあの日から2年も経ったのかという気持ちとまだ2年しか経ってないという気持ちが両立している。
式は来年のシーズンオフに挙げようと話になっているが、そもそも結婚自体がかなり急な話だったので今年のオフシーズンに挙げるのは難しそうだったため、来年に。まだ学生時代の友人には相手が飛雄くんだと言うことを伝えれていないためどのタイミングで伝えるか悩んでいる。

「忘れ物ない?気をつけてね」
「はい、行ってきます」

仕事は週3,4に減り今日はわたしは休みなので飛雄くんを見送る。飛雄くんは少し屈んでわたしにいってらっしゃい、のキスを待っている。いつまでこんなに好きでいてくれるんだろう、なんて思いながら飛雄くんの頬にキスすると「ちげぇだろ」と今度は飛雄くんに唇を奪われた。

「いってらっしゃい」
「今日は早いから一緒にメシ食おう」

こくん、と頷き飛雄くんを送り出した。こんなに、こんなに幸せでいいんでしょうか?
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