大きい浴槽に浸かりながら、2人で足を伸ばしてくつろぐ。流石に飛雄くんは伸ばしきれてない様子だけど、わたしは余裕だった。
「一緒に住むならこれくらい広いお風呂じゃないとだめだね〜」
「こんだけ広かったら一緒に入ってくれるんすか?」
「毎日は入らないよ」
「っす」
飛雄くんの手がわたしの胸に伸びてきて、後ろから触れられる。
「いっぱいしたでしょ?今日はもうだめ」
脱衣所で1回、浴室で1回、ベッドで1回、そして今に至るわけだがもう体力の限界だった。飛雄くんに至ってはソファで1回出したのに元気すぎて明日起きれる気がしない。
「ね、飛雄くん」
「なんすか?」
「結婚したら、正社員は辞めようかなって考えてるんだけど」
「俺はどっちでもいいっすよ」
「今、お休み合わせるの月に1回くらいしか出来ないでしょ?一緒に住んだら毎日会えるけど、せっかくなら飛雄くんのお休みに合わせてデートしたりしたいし、毎日ちゃんとしたご飯も作りたいし、融通効くシフト制の仕事に変えようかなって」
そう浴室の壁を見ながら伝えると、飛雄くんが首筋に顔を埋めて「はぁ〜〜〜」とため息を吐く。ちょっと重かったかな、嫌だったかなと飛雄くんの方を振り返ると逆上せてるのか照れているのか顔が真っ赤に染まっていた。
「だ、大丈夫?」
「それって俺のためってことっすよね」
「そうだけど、嫌だった?重いよね」
「めちゃくちゃ嬉しいっす」
体ごと持ち上げられて飛雄くんと向かい合わせになる。太ももの上に座らされ、そのまま唇を何度も合わせる。浴室だと音がよく響いて恥ずかしい。
「名前さんが、俺のために何かしてくれるって考えるだけでやべぇ。なんつーか、愛されてる、気がする」
「気のせいじゃなくて、愛してんの!これからわたしの人生は全部飛雄くんのために使うの!わかった?」
「っす」
珍しく照れてる飛雄くんが可愛くて、目を逸らそうとするので両手で頬を掴んで阻止する。唇を尖らせたまま「なんすか」と恥ずかしそうに問いかけてくる。可愛い。
「なぁ、勃った」
「知ってる。当たってるもん」
「これで最後、」
「と、びおくん!いいってまだ言ってな、」
飛雄くんは返事をする前に行動していて、瞬く間にわたしはぐずぐずにされてしまった。明日家探ししなきゃいけないのに起きれるかな。それより立って歩けるかな、と脳内で考え事してると「俺のことだけ考えてろよ」と耳元で囁かれ一瞬で脳内は飛雄くん一色に染まった。
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