影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




結局やっとの思いでシャワーを浴びれたのは夜も更けてきた頃だった。腰の鈍痛と喉の渇きが辛く、久しぶりの感覚にどっと疲労を感じる。一緒に浴びると言って飛雄くんは聞かなかったが、このままではシャワー中にもまたすることになると悟り体力の限界を伝え1人でシャワーを浴びることに成功した。お風呂場の備え付けの鏡で体を見るとそこら中に飛雄くんの噛み跡やキスマークが見つかり恥ずかしくなる。もともと独占欲は強いほうなのかもしれないと思っていたがここまでとは気付かなかった。

さっぱりして戻ると飛雄くんは台所で水を一気に飲んでいるところだった。パンツ一枚で台所に立つ飛雄くんを見ると、何だか本当にこの人わたしの彼氏なんだと嬉しくなってしまい涙がポロポロとこぼれ落ちてしまった。飛雄くんは振り返ってわたしがいきなり泣いてるもんだから驚いて駆け寄ってくる。

「ど、どしたんすか?!どっか痛ぇとこあんのか?」
「ちがう、っ」
「俺、下手くそで嫌になった?」

今度は飛雄くんが泣きそうな顔で、あまりにも愛おしくて泣きながら笑ってしまった。

「違うの、飛雄くんが彼氏なんだなって思ったら嬉しくて、」
「あ?あんま煽んなってさっきも俺言ったよな?」
「うーー、そんなつもりじゃない」

飛雄くんが格好良すぎて、頭がクラクラしてきた。廊下の壁にそのまま押し付けられるようにキスをされる。爪先立ちをして必死に飛雄くんに応えようと首に手を回してキスを続ける。

「ん、すき、飛雄くんっ、すき」
「...っ、シャワー、浴びて来ます」

頭をがしがしとかきながら飛雄くんはシャワーを浴びに行った。わたしはソファに座りうとうとしながら飛雄くんを待っていた。
夢の中でも飛雄くんは格好良くて、優しくて、好きだなぁ、幸せだなぁ、と思っていると急な浮遊感で目が覚める。

「こんなとこで寝てたら風邪引く」
「ん、ありがと」
「無理させて、すいません」
「いーの、嬉しかった」
「名前さんわざとっすか?」
「え、?んっ、」

ベッドに降ろされそのまま唇を合わせるだけのキスをする。飛雄くんの胸にぴとっとくっつき夢の続きを見ようとする。

「俺、名前さんにがっかりされたらどうしようって不安で。でも結局かっこ悪ぃとこ見られて、」
「なんで?わたし、飛雄くんが何してもがっかりしないし、きらいになんないし、ずーーーっとすきだよ?」

眠気が襲って来ていつもより舌ったらずに話してしまう。

「俺も、名前さんのことずっと好き。ずっと大事にする」
「飛雄くん、産まれてきてくれて、出会ってくれて、好きになってくれてありがと」

飛雄くんが鼻を啜ってる気がしたけど、もうそこまで夢の世界が迫って来ていてわたしはすぐに眠りについてしまった。飛雄くん、お誕生日おめでとうって伝わったかな?ちゃんと好きだよーって伝わったかな。わたしはずっと飛雄くんが伝えてくれるから何も心配してないし、幸せだよ。
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