影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




「すげぇ、いっぱいありがとうございます。美味かったっす」
「飛雄くん結構お酒飲んでたけど大丈夫?気分とか悪くない?」
「大丈夫っす」

ほんのり赤く染まってる頬が、たまらなく可愛い。初めて見る飛雄くんの顔にわたしはドキドキが止まらなかった。簡単にテーブルを片付けてケーキを用意し、プレゼントを飛雄くんの前に出す。

「何がいいかな、って思ったんだけど」
「ハイ」
「その、今日からは、飛雄くんが家に泊まったり、することも、あるかなって思って」

やっぱり説明するのが恥ずかして、このプレゼントは辞めておけば良かったと一瞬後悔するが目の前に目をキラキラさせて待ってる飛雄くんを見たら後悔という言葉はすぐに吹き飛んだ。

「我が家で使ってもらえる、部屋着を用意しました...」

後半やっぱり恥ずかしくて思わず小声になってしまった。飛雄くんは受け取るや否やすぐに開封して手に取ってその生地の柔らかさに驚いているようだった。上下黒のシンプルなデザインに、何より肌触りがとてもよくわたしも気に入って愛用しているブランドの物だ。

「すげぇふわふわっす。家にあるやつと全然ちげぇ」
「気に入ってくれたみたいで良かった」
「ありがとうございます!」

不思議な顔をしながら何度も「ふわふわ」と呟きながら服を触ったり伸ばしたり、気に入ってくれたようでほっとした。このタイミングで提案するのは下心が見え見えな気がして恥ずかしいけど、飛雄くんに「着てみる?」と声をかける。

「もし、良かったら、シャワーも浴びてくれていいけど」
「いいんすか?じゃあ借ります」

今すぐ、というつもりではなかったが、ケーキを食べかけのまま飛雄くんはシャワーを浴びに行ってしまった。リビングに居ても聞こえてしまうシャワーの水音に心臓がドキドキして、うるさくて仕方なかった。飛雄くんのお風呂上がりなんて見たら死なない?かっこよすぎて倒れない?わたし大丈夫かな?なんて脳内でわーわー叫んでいると、首からタオルを下げてわたしが飛雄くんのために選んだ部屋着を着たイケメンが現れた。

「に、似合いすぎる。何着ても格好いい人って格好いいんだ」
「あ、ざす」

少し照れながらタオルでゴシゴシ髪の毛を拭いてる飛雄くんが、男の人、でわたしはごくりと唾を飲み込んだ。おいで、と手招きをしてソファの前に座ってもらい髪の毛を乾かしてあげる。

「熱くない?」

こくり、と飛雄くんは頷きハンドクリームを丁寧に指先に塗り込んでいた。サラサラになった髪の毛を何度も撫でていると恥ずかしそうに飛雄くんが振り返る。

「名前さんの匂い、するんで、恥ずかしいっすね」

こんなのにやけない方がおかしいと思う。風呂上がりだからか、お酒を飲んでるからか、もうわからないけど飛雄くんの頬はほんのり染まっていてなんというか、色気がダダ漏れている。

食べ掛けだったケーキもぺろりと平げ、「シャワー、浴びてくるね」と伝えると飛雄くんの瞳がギラっと光ったのがわかる。もう心臓は今にも飛び出そうだった。
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