影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




「片付けよし、仕込みよし、プレゼントよし」

12/22、今日は国民の皆さんがお祝いするべきでは?そう!飛雄くんの誕生日!
何日か前から準備をして、万全の状態で今日を迎える。クリスマスも近いので、一人暮らしの寂しい部屋に小さいツリーも飾った。
朝からムダ毛の処理も完璧にしたし、下着も服もとびきり可愛いの買ったし、お風呂上がりの部屋着も新しくした。髪の毛も染め直したし、肌の調子も上々。シーツも枕カバーも全部洗って布団も干して、ちょっと気合入れすぎたかもしれない。今日は本当に全く仕事どころではなかった。

今朝起きてすぐに飛雄くんに誕生日おめでとう、と連絡を入れると「今日楽しみです」と返事が来てすでに夜のことを考えてしまった。いや、考えない方が無理あります。考えてると恥ずかしくなってきたので帰宅してすぐバタバタと掃除の続きに勤しむ。

そろそろかな、という時間になり鏡の前でメイク直し髪の毛もうちょっと巻こうかなと考えているとインターホンが鳴る。もうこの音だけでときめいてしまう。玄関の鍵を開けようと扉の方へ向かうと、鍵がガチャリと回される音が聞こえた。

「た、ただいまっす」
「おかえりなさい」

鍵を嬉しそうに握りしめている飛雄くん。ただいま、の言葉が可愛くてわたしも満面の笑みでおかえりと迎え入れる。ぎゅ、と飛雄くんを抱きしめ今日1番に伝えたかった言葉を伝える。

「お誕生日、おめでとう!」
「あざ、す。今日なんか、名前さんキラキラしてる」
「え?」

上着も脱がずに抱き合い、飛雄くんの顔がぐんと近づいて来る。そのまま軽くキスをされ、飛雄くんの唇にグロスがついてしまい笑みが溢れる。

「ついちゃった」
「?ああ、だからキラキラしてたんすか」
「さっきつけたばっかりだったから」
「じゃあ、後でもっかい見せてください」

抱き合ったままの飛雄くんに両手で顔固定され、唇を食べるようにキスされる。気持ちよくて途中で声が漏れてしまう。さっきまでグロスで光っていた唇は瞬く間に唾液で濡れてしまい、違う艶が出ていた。

「んん、っ、ふぁ、」
「可愛い」
「んも、だ、」
「だめじゃねぇ、って」

低い声でそう耳元で言われてしまえばわたしの体はきゅんと反応してしまう。腰が抜けてしまい、飛雄くんに支えてもらわなければ立てなくなり体を飛雄くんに預ける。軽い酸欠で頭もふわふわしてきた。ちゅ、と最後に額にキスをされ名残惜しいけど解放される。わたしはついに立てなくなりその場にぺたんと座り込む。

「名前さん腰抜けてるんすか」
「だ!誰の!せいですか!コラ!」
「可愛すぎるんすけど、コラ」

ご機嫌な飛雄くんに抱えられリビングに入る。もう最近のお決まりパターンになりつつある。ソファに降ろされ、飛雄くんは洗面台へ手を洗いに行ったようだった。戻るなりテーブルに広がる料理に釘付けになっており、さっそく食事に取り掛かる。いつもと違うのはそこにシャンパングラスが置いてあることだった。

「改めて、飛雄くん20歳おめでとう。素敵な一年になりますように〜!乾杯!」
「乾杯」

カチャンと音を立ててグラスを合わせる。飛雄くんは恐る恐る、と言った感じで少し口に含み「美味い」ともう一口飲んでいた。「空きっ腹に飲み過ぎちゃダメだから、ご飯食べよ」と飛雄くんの取り皿に飛雄くんの好きそうなものをたくさん装って渡した。見る見るうちに無くなっていき、綺麗になるお皿を見てわたしはとても幸せな気持ちでいっぱいになる。ああ、好きだなあ。そんな気持ちで飛雄くんを見ると口いっぱいに頬張ったまま目が合い、愛おしさがパンクした。
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