影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




「それにしても飛雄くんお花自分で選んだの?すごい綺麗なお花選んでくれたよね」
「あー、店員さんが、これがいいって言ってくれて」
「そうなんだ!なんてお花かわかる?」
「覚えれないと思ったんで写メ撮りました!」

ドヤ!と効果音がつきそうな飛雄くんの顔が可愛くて、わたしは今日何度目かわからないきゅんを飛雄くんからもらった。見せてもらった写真には「デルフィニウム」と書いてあった。簡単な花の説明もあったのであとでゆっくり読んでみよ。ドライフラワーに出来るかな?

「本当にありがとう、わたし何も用意してなくてごめんね?」
「名前さんからキスしてもらえたんで何もいらねぇっす」
「お、お恥ずかしい」
「これで当分名前さんに会えないすけど頑張れます」
「わたしも。日本から飛雄くんに届くようにいっぱい応援するね」
「暇だからって他のチーム見に行ったりすんなよ」
「しないよ!飛雄くんのプレーが好きでバレー好きになったのに!」

わたしの言葉の意味がわからなかったのか、飛雄くんがぽかんとフリーズしている。「はい、帰るよ」と飛雄くんの荷物をまとめて持たせる。まだ帰りたくなさそうな飛雄くんだが、さすがにもう遅いので帰宅を促す。

玄関でもう一度名残惜しそうに抱きしめられた。
わたしも飛雄くんほどの力強さはないがぎゅ、と抱きしめ返し、どちからともなく唇が重なり、目が合うと思わず照れてしまい微笑みあった。ああ、幸せだなあ。そう思ってると、飛雄くんからも同じ言葉が聞こえる。

「俺、本当に名前さんと付き合えて幸せです」
「わたしも、飛雄くんと出会えて、こうやって付き合えて幸せだよ。ありがとう」

もう一度わたしから唇を重ねる。飛雄くんとの身長差が結構あるので、背伸びしようとすると飛雄くんが屈んでくれて丁度いい高さになる。きっとこうやって当たり前にキスするようになるんだろうな。名残惜しいが、飛雄くんがドアノブに手をかけながら振り返った。

「その、さっきの、花なんすけど」
「うん?」
「花言葉、店員さんから聞いて、選んだんで」

と、恥ずかしそうに言い「おやすみなさい」とわたしのおでこにキスして帰って行った。今日は来た時も帰る時も格好良すぎて、残されたわたしはこの熱をどこにぶつけていいかわからず頬を抑えたまままた玄関で立ち尽くしていた。

お風呂上がり、飛雄くんの言葉を思い出しスマホで花言葉を調べる。飛雄くんからの愛のメッセージは、わたしには勿体無いほど素敵な言葉で涙が止まらなくなった。もう、これ以上好きになったら困る。
- 31 -


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -