影山選手の追っかけはじめました。 | ナノ




飛雄くんに愛しさ溢れて思わずキスをしてしまった。唇が離れた瞬間飛雄くんはわたしのことを勢いよく抱き上げてわたしはそのまま首に捕まる。「重いから降ろして」の言葉は気持ちがいいほどに無視されそのままいつものソファに少し荒々しく降ろされる。腰に回されていた手が瞬時にわたしの後頭部に回される。

「ま、まって」
「待てねぇ」

そう言い切って飛雄くんは噛み付くようなキスを。ちゅ、とリップ音が聞こえるたびに羞恥心でどうにかなりそうだった。最初は触れるだけのキスも角度を変えながら、段々と深いキスになり、飛雄くんはそんなのどこで覚えたんだと言わんばかりのキスで攻めてくる。
段々とリップ音も可愛い音ではなくなってきて、お互いの唾液が絡む音に変わってきた。

「んっ、...んんっ」

わたしもだんだん頭の中がふわふわしてきて、気持ち良くなってきてしまう。一瞬、ほんの一瞬気を抜いてキスをしながら口を開けてしまった。その瞬間飛雄くんの舌がわたしの口の中に入ってくる。

「だ、だめっ、ん...と、とびおくっ」
「あんま煽んないでください」

じゅる、とわたしの唾液を吸った飛雄くんが辛そうな顔でこちらを見てくる。わたしも子供じゃないのでさっきから主張してきている飛雄くんのソレに気付いてはいた。
ふ、と目が合った瞬間飛雄くんの顔がまた近づいて来る。唇に来ると思っていたが今度はおでこ、目尻、頬、と順番に優しくキスされる。ちゅ、ちゅ、と音が聞こえるたびにわたしの体がきゅんと反応しているのがわかって余計に恥ずかしい。

「名前さん、っ、可愛い」
「ん、っ」

首筋をがぶりと噛まれたことに気づき、驚いて「あっ」と声を上げてしまう。さっきまで抱き合っていたはずの飛雄くんは気づけばわたしを押し倒すような体制になっていて、あの綺麗な手がわたしのシャツのボタンを何個か外していた。
だめ、と言おうとするとそれを阻止するように飛雄くんからまたキスをされる。

「ふっ…んっ、とび、おくっ」
「んっ」
「き、聞いて!」

ボタンをなお外そうとしている飛雄くんの手の上に自分の手を重ねてストップをかける。飛雄くんの手がわたしの背中に周り、よいしょと起こしてくれる。あぐらをかいている飛雄くんの膝の上に正面から座る体制になってしまい、降りようともがくが大きい手で腰を固定され動けない。

「話ならこのまま聞きます」
「こういうことは!飛雄くんが!成人するまでしません!ダメ、です」
「キスは名前さんからしてきたからいいすよね?」
「う、は、はい」

じゃあ、と飛雄くんがわたしの頭を両手で固定しまたキスをしてくる。さっきと体勢が変わりわたしの方が上になっているので、余計に身動きが取りづらい。行き場のなくなった手を飛雄くんの胸元に置くと心臓が激しく動いてるのに気づきたまらなく愛おしくなる。気づいたら頭から手は離れており背中に回されていた。何度もなぞるように背中を触られくすぐったさと気持ちよさで反応してしまう。

「あっ、も、だめって、言ってる、」
「名前さんが可愛すぎるのが悪ぃ」

飛雄くんの唇も耳から首筋、そして鎖骨、だらしなく開いているシャツの胸元まで迫ってくる。
これはまずい、とわたしはもう一度飛雄くんの手を握って静止する。目線だけわたしに寄越しているが、その目はかなり不満そうだった。

「嫌な理由、ほんとにそれだけすか?」
「え、?」
「俺とはしたくないとか、その、」
「違う!本当に、未成年はわたしの罪悪感が耐えきれない」

そう伝えると「はぁ〜〜〜」とため息をつきながらもう一度ぎゅっと抱きしめられる。額をぐりぐりと肩に押し付けられ、満足したのかわたしの両脇を持ち上げて膝からソファへと強制的に移動させられた。すくっ、と立ち上がった飛雄くんはそのままわたしに背を向けたまま「トイレ借ります」とだけ呟いて数分トイレに篭ってしまった。

トイレで何をしていたかなんてわかりきっていて、トイレから出てきた飛雄くんと目を合わせることができなかった。
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