きゅうり
「きゅうりってさ、どうやって食べるのが一番美味いと思う?」
谷口が朝出合頭口にしたのは、そんな言葉だった。
「きゅうりなぁ……きゅうり、きゅうり……」
必死に考えてみるけれど、全く思い浮かばない。大体きゅうりなんて別にそんな好きじゃないし。水っぽいばっかりで、味なんてないし。
うーんと唸ったきり沈黙した俺に、谷口はからからと笑った。
「そーやって、いちいち真剣に考えてくれるから、オレお前のこと好きだわー」
なんて。
あーもう。
ありがとうきゅうり。
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