「…っ、悪い…油断した…」
ボロボロになって帰ってきた環は、守り通すと言った"星"を奪われていた。
「ごめん…っ、ファウ…約束…守れなかった…ッ」
いつもなら抱きついて甘えてきそうなのに今日はそれがない。
それどころか、俯いて顔すら合わせようとしない。
手を伸ばして、環に触れる。
「…っ、」
少しの事に動揺して息を詰めるなんて普段からじゃ考えられない。
「環、大丈夫。まだ、時間はある」
ギュッと抱き締めて宥める。
「俺も協力するから、取り返そう?」
そうしたら、もう一度、誓おう。
ギュッと抱き締め返して頷く環に安心したと同時に、俺は取り返すための策を練り始めた。