世界が暗くなったのは突然だった。
ずっとずっと、暗かった。
灯りがあっても、ちっとも暖かくなかった。
暗い道を、1人さまよっていたら光にであった。
その光は今までの灯りよりも暖かくやさしかった。
光の傍は居心地が良かったけれど、その周りは暗闇だった。
それは俺を追うかのように段々、光は暗闇に浸蝕されていく。
光は光であって欲しかったから、俺は闇に飛び込んだ。
光の光を纏った俺の周りは少しだけ闇より明るかった。
少しすると墨のような黒から漆黒の手が差し伸べられた。
漆黒は甘く囁き、俺を招いた。
漆黒の傍なら、光も闇も意味がないと思った。
だから、その手を取った。
光は、見えない。
けれど、それでいい。
俺は光じゃない。
闇に落ちて
暗闇を這い
光に救われ
光から離れ
漆黒と手を組んだ
けれど、俺は漆黒には染まらない。
俺は…いったい、なんだろう…?