十二匹目

そうか。

目ぼしい情報は
何も得られなかったというわけか。


シャルは俯いたまま顔を上げなかった。
フランクリンはシャルの横で、団長をじっと見つめている。


いやいい、よくやった。
で、ノブナガとウヴォーは


団長は二人に向き合う。
ウヴォーはつまらなそうに頬杖をついていた。


販売ルートの開拓だったな。
顧客は見つかったか?


ノブナガは待ってましたとばかりに膝を打った。


完璧だ。
アイツ、ちゃ〜んと高値で売れるぜ。
東洋系のちょうど、あれくらいの子娘を探してる連中がいてな。

連中ときたら、大喜びだったぜ。



なるほどな。

団長が睫毛を震わせる。


だが、あと1週間残ってる。
シャル、それに他の連中も引き続き調査にあたってくれ。


団長がそう言ったとき
遠くから甲高い声がした。


クロロ!!


フェイタン共々歩み寄ってきた女は
団長を確認するなり大声で叫んだ。


会いたかった!



駆け寄ってきた女は、そのまま後ろから団長に抱きついた。
団長は立ち上がって、女を品定めするように見下ろす。


ほう。
お前がレイラか。


クロロ、今すぐ私を旅団に入れて欲しいの!


じゃないと私、この女に殺される!


女が私を指差すので
皆が一斉に私の方を向いた。
私は全員に向けて顔を顰めて見せた。


いいだろう。


団長は静かにそう言った。
此方からは表情を確認できない。


団長はレイラの手を取って握手した。


お前を蜘蛛に迎え入れよう。

だが、生憎団員は埋まっている。
お前はテスト要員として
1週間ここに留まったらどうだ?


団員達は一体どうなっているんだ、とそれぞれ顔を見合わせた。
フィンクスは鼻持ちならない様子でそれを見ていた。


嫌よ!

女がクロロの手を振り払う。


あの女を脱退させて!

あいつが言ったの!
私なんて簡単に殺せるって。
あいつがいたら、私怖くて。
とてもじゃないけど暮らせないわ!


そう言って座り込み、泣きじゃくる女の肩に
フェイタンはそっと手を置いた。


残念だが、入団のルールがある。
前団員を殺さなければ、団員にはなれない。


クロロの声に、女は飛び上がった。


私できるわ!

あの女、蛇かなんかを発動させてるの。
その間はいつもより弱いって、あいつが言ったのよ!
だから今の私だって、きっと殺せるわ!!



広場は静まりかえった。
天井が風を吸い込む音だけが遠くでこだましていた。



なるほど。


お前は、団員の能力を知っているんだな?


クロロのあまりに低い声は
静かな広場に不釣り合いに共鳴する。
あまりの緊張感に、近くにいたマチはごくりと生唾を飲み込んだ。


全部知ってるわよ!
HUNTER×HUNTERに全部書いてあったわ。
それに、あの女の能力だって
フェイタンと話してるのを聞いたの!!


フェイタン、確保しろ。



団長の言葉より前に
フェイタンは女の腕を締め上げた。


痛い!!
フェイタン、何するの!!!


能力まで知っているとは、想定外だった。
命だけは助けて、お前を売り飛ばしてやろうと思っていたが
その必要はないみたいだな。


そう言って彼女を一瞥する。
それはまるで路地に吐き出された吐瀉物を見るような
深い軽蔑の眼差しだった。
団長は立ち上がると、フェイに処分を命じて立ち去った。



女はいつまでもクロロの名前を呼び続け
その声は遠く、広場の天井まで吸い込まれていった。







さて。
どうやて死にたいか?



鎖で縛り付けられた女を見ながら
フェイタンは楽しそうに目を細めた。


なんで?
フェイタン、私達

あんなに愛し合ったのに。


女は目に涙を浮かべて
何百回目かの命乞いをする。


愛し合た?
笑わせるな。

右手の親指の爪を剥いだとき
一際大きな絶叫を上げた。


煩いね、次悲鳴をあげたら
爪どころの騒ぎじゃないよ。


やめて!!!
どうして、どうして私じゃダメなのよ!!
フェイタン!
私のほうが、顔だって可愛いのに!!


この言葉には、見たくもない拷問を見せられて不機嫌だった私も思わず笑ってしまった。


フェイタンは有無を言わさず
持っていたナイフを
眼球に向けて突き入れた。

耳をつん裂くような悲鳴とともに
血が噴出して女の顔は一気に血で染まる。
私はまた蛆虫を想像してしまって
吐き気を催す。


ああ、、可愛い顔が台無しね、、
でも、良かたな。
神様が目を2つつけてくれたおかげで
まだ見えるね。

痛い、痛いと喚く女に
フェイは尚も続けた。


ワタシと寝て気持ちよかたか?
あんなによがていたから
さぞ楽しんだに違いないね。


フェイタンはナタを手に取って
女の目の前で振る。
私はフェイタンがこれからしようとしていることを想像して、また吐き気が込み上げた。


ここに挿入すれば気持ち良くなれるか?


フェイタンは女のスカートを捲り上げた。
下着を滑らせると、まだあどけない性器が顕になる。
女はやめて、と懇願するように小さく呟いていた。


さあ、よく味わうがいいよ。


フェイタンはナタを陰部にあてがい
一思いに突き刺した。

痛みで叫びさえあげられないのか
空気が漏れるような悲鳴が漏れる。


ナタは柄のほうまで血で染まり
床も一面血の海だった。


股からナタをぶら下げて痛みに藻掻く女は
あまりにも滑稽だったが
尚もまだ生きていることに素直に感心した。


痛い、痛い、と小さな声で呟く。


フェイタンは椅子に座り
獲物をまじまじと眺めた。


フェイタンの近くで蝋燭の光がゆらゆらと揺れる。


女はか細い声で言った。


あなたたちは、後悔する。


フェイタンは可笑しそうに笑い声を上げた。
立ち上がって、女に歩み寄る。
蝋燭に照らされた顔が不気味に浮かび上がった。



ナタを引き抜こうと手をかけると
女はやめて、と首を振った。


お願い、助けて。


フェイタンは振り返って私を見た。


だそうだ。


その目は、もう満足だ、と言っているようだった。


正直、汚い血を踏むのも嫌だったが
フェイタンがこれを望んでいることを知っていたので
私は女に近づいた。



女の顔をまじまじと見ると
憎悪のこもった目で私を見返した。
恐怖に凍りつく女の腕に触れる。



蛇は待ってました、とばかりに噛み付いて
裏切り者は悲鳴すらあげなかった。

















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