三匹目


フィンクスとマチは、ほぼ同時刻に到着した。

というより一緒に来たのかもしれないが
珍しい組み合わせだったので多少驚いただけで、よくよく考えてみればどうでも良かった。


先に来ていたノブナガとウヴォーギンは
私とフェイタンと全く同意見で
フェイタンに身体に聞いてみろ、と迫った。

フェイタンは既に興醒めているようで
2人に何を言われても
本に目線を落としたまま、顔を上げることはなかった。


にしてもよぉ、なんで俺らのことは知ってるのに
お前のことは知らねぇんだろうな。


フィンクスは馴れ馴れしく私の横に陣取り
な、と肩を叩く。

私はそれに腹が立ってフィンクスを睨んだ。


そんなことどうでもいいよ。
それより、なんであたし達の顔が割れてるかのほうが問題でしょ。

マチが買ってきてくれたソイラテを一口啜ると
苦手なヘーゼルナッツシロップの味がしたので
思わず顔をしかめた。


賞金ハンターじゃないの?


マチは私が返したソイラテのプラカップを受け取り、そのままストローを吸った。


賞金ハンターねぇ。
だとしたら、よく調べてるな。


フィンクスは俺にも飲ませろ、と催促したが
マチはそれを無視した。


とにかく、パクが帰ってくるのを待つしかねぇな。


確かに、シャルの言う通り
黒幕をおびき出すには、壊してないほうがやりやすいっていうのには一理あるしな。


フィンクスの言葉に、ウヴォーが振り返る。


そんな面倒なことしなくても
賞金ハンターなら待ってりゃ向こうから来るんじゃねぇか?

あの子娘を差し向けるくらいだから
黒幕がいたとしても大した使い手じゃねぇと俺は見たな。


ノブナガも、もっともだ、とばかりに頷いた。


問題は、私達のアジトに侵入できたってことでしょ。
しかも、突然ね。


マチは両手の間で糸を出したり消したりしながら
誰に言うでもなくそう言った。


まあ、どちらにせよパクが来たら分かる。

コル、パクはいつ来るんだ?


フィンクスの問いにコルトピはさあね、と肩を竦ませた。


パクはすぐ向かうって言ってたけど
いつになるとは言ってなかったよ。




私達はしばらく広場であれこれと話していたが
遂に飽きて
ノブナガとウヴォーは外へ気晴らしに行く、と出て行き
私も不機嫌なフェイタンを連れて一旦帰宅することにした。



シャルは何を考えてるか


車に乗るなりフェイタンは苛々した口調で呟き
私もそれには同調の意を示した。


だたら初めから呼び出すのやめるよ。
わざわざ出向いたが、意味のない時間だたね。


既に薄暗くなった高速道路には
私達以外の車は見当たらなかった。


街頭を追い越しながら
囚われた女を思い出してみる。


まだ10代のような面持ちだった。
狙いは何なのだろう。
なぜ、自ら囚われるような真似をしたのだろう。


私が調べてもいいけどね。


車内に置いた私の言葉に
フェイは隣で黙りこくったまま
ただ前を見つめていた。





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