えぴろーぐ

まだ痛む脇腹を押さえながら
ただベットに横たわっていた。

行為が終わると
フェイタンは必ずシャワーを浴びにいく。

私はいつも
痛みの奥で、水の流れる音を聞いていた。





まだ寝てるのか。

いい加減、汚い身体洗いにいくよ。


フェイは私を見下ろしてそう吐き捨てる。


フェイの髪から滴が垂れて
私の額に落ちた。


分かってると思うけど
フィンクスにばれたら殺されるよ。

その言葉に
フェイタンは目を細めて、可笑しそうに笑った。



オマエ、気でも狂たか?



フェイタンの冷たい指が
私の喉元を撫でる。

緊張して手にじんわりと汗をかくのが分かった。

フィンクスに何か言われる筋合いないね。
オマエはあの頃から
ワタシの所有物よ。


フェイタンは指を頬に沿わせ
耳の後ろに移動させる。



馬鹿なオマエにはわからないか?


ワタシたちは全員で蜘蛛。

オマエはワタシのものであり
ワタシはオマエのものよ。



フェイタンの声が遠くなっていくのを感じながら
私は静かな夢を見た。


懐かしいあの街で、たったひとつだけ信じていたもの。



私達は2人で1つ。




あの街の流れ星を背景に
フィンクスが優しく私の頭を撫でた。






















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