人狼は宴の後で


【注意】18歳未満の方は閲覧をお控えください。






昔から、人への感情の持ち方が苦手だった。
それを執着心と呼んだり
所有欲と名前をつけてみたりしたが
どれもしっくりこなかった。

私は別に、それを手放しても
何も感じないからだ。

それに対して、不思議にも思わなかった。
余りにも当然のことだったから。

だから、ドラマを見ても不思議に思う事のほうが多い。

別れに涙するのは何故だろう。

失ったなら
他に代わりを見つければいいのに
何故泣くのだろう。



そうやって隣にいるフェイに尋ねてみたが
フェイは相槌の変わりに
チラリとこちらを見ただけで
また本に視線を落としてしまった。


例えばフェイは私がいなくなったら
私の代わりを見つけるでしょう?

私なしには生きていけないと思ったことはないでしょう?


私は尚もそう続けると
フェイの手元を照らす蝋燭の火が消えた。

寝転がっていたソファでフェイのいた場所を見ていたが
暗くて何も見えないので
代わりに目を瞑ることにした。


いつも

それは突然訪れる。


冷たい指がわたしの額を撫でて
頬を包む。

私は目を瞑ったまま
されるがままにしておいた。


そして、ちゃんとその指はわたしの喉を締め付けるのだ。

これがいつものパターン。
ちゃんと分かっている。


息ができなくて苦しくて
酸素を求めて口をパクパクさせるけど
フェイは楽しそうに喉を鳴らして笑った。


酷い顔ね。


暗さに目が慣れてきてフェイの顔を確認できる。
目を覗き込むと、意地悪そうに細められていた。


苦しいか?

ワタシ、苦しい顔、好きね。


更に力を入れて首を締め付け
骨がミシミシと鳴るのを聞いた。

そのまま私に跨り
膝を鳩尾に当てて体重をかけていく。

苦しさで涙が頬を伝い
鼻水が噴き出したところでフェイタンは手を離した。

ガほっ!ヒッ!ゲホッ!


酸欠で頭がズキズキと痛み
肺は咳とともに泣き叫んだ。


オマエ、勘違いしてないか?

オマエの生き死にはワタシが決めるよ。



だから何の心配もせずに
ワタシの機嫌だけ取ていればいいね。


せいぜいワタシに、殺されないように。



フェイタンはまた目を細めて笑い
自分のものを私の腹に当てがった。


早く悦ばせるよ。


私はまだ痛む肺を庇いながら
状態をやっとのことで起こし
フェイタンに向き合った。

フェイの瞳は月光に反射し
鋭さを増したように見える。

彼のそれを服の上からさすり
ゆっくりと衣服を下ろす。

フェイはそれを黙って見つめていた。

露わになったものは
大きく剃りたっていて
私は生唾をごくりと飲み込む。

フェイは私の髪の毛を荒々しく掴むと
顔を無理やり引き寄せてそれを口に当てがった。

口に含むとそれはとても苦くて
ひどく不快な気分になる。


全然なてないね。

フェイはため息をつき
髪を掴んで無理矢理上下に動かした。

苦しくて声が漏れる。

それを聞いて興奮するらしく
息が漏れるたびにそれは加速した。


ハハ、汚い顔ね。
ゴミの山に捨てられた女に相応しい顔してるよ。


そのまま中腰になり
私の口に向かって腰を打ちつける。


喉の奥にそれがあたり
何度も胃液が逆流した。


酸欠でまた頭痛が襲ってきた頃に
フェイはやっと口から引き抜き
私を床に叩きつける。


おい、何くたばてるか?
自分で脱ぐよ。


フェイに腹を蹴られ、私はフェイを睨みつけながら
立ち上がった。
バランスを崩してローテーブルに脇腹をぶつけ
地味に痛かった。


服を全て脱ぎきると、フェイは目を細めて笑う。


貧相で汚い身体ね。

後ろを向いてローテーブルに手をつくよう指示され
私は従順にそれに従った。
従わなければ、もっと過酷な報復が待っているからだ。


すぐにフェイはそれをあてがい
中に侵入する。


あっ!


思わず声を漏らすと
フェイは髪の毛を強く引っ張った。
ぶちぶち、と音がして
束になって髪が抜けたのが分かる。

悲鳴を上げると可笑しそうに笑った。

ハハ
まるで発情したメス犬ね。


何度も背中を叩かれ
痛覚ですら麻痺してきた。

それでも快感の波には逆えず
痛みと快感が交互に押し寄せて
思考はとっくに追いついていなかった。


首に手が回され
強く締め付けられる。

息ができなくて、苦しくて
私は声にならない声で助けを求めた。


そのまま死ぬね。
世界で一番無様な死に方よ。

フェイは更に強く腰を打ち付ける。


息を漏らしながら
出すよ、と呟くと
私の中に温かいものが広がった。

ローテーブルに突っ伏し、起き上がらない私を他所に
フェイはすぐに立ち上がって
シャワーを浴びに去っていった。


満身創痍、ボロボロな私は
床にドサリと倒れ込み
なんとか仰向けに体勢を変えた。


ヒューヒューと息が漏れ
身体の節々は激しく痛む。




カーテンの隙間から月が見えた。



シャワーの音で月はかき消される。









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