獅子座


床に組み敷かれた私の身体は
痛みに耐えかねて限界だと震えているようだった。


両腕の骨が折られたところで
そろそろ意識を手放してしまおうかと思った。


首を締め上げるフェイタンの右手は
時折力を緩めて、ギリギリのところで酸素を供給しようとする。


殺しはしない。

でも死への恐怖をじっくり与える。


フェイタンの冷たい指先が私の太腿に這い
次は何処を痛めつけようかと探しているようだった。

その感触が気持ち悪くて、怖くて
私は生唾をごくりと飲みこむ。



雌犬の顔ね。



フェイタンは口角を上げて
全く笑っていない目で私を見た。



この状況が嬉しくて仕方ないて
尻尾振て喜んでるよ。


抗議の意味を込めて顔を逸らすと
左顔面に衝撃が走った。


口の中が鉄の味になる。


今しがた私の顔を殴りつけたフェイタンの左手は
少し赤く滲んでいた。


興奮してきたか?


さっきからわざと当てている自分のものを
顎で指す。


オマエの望む通りにするよ。





私は
身体を切り刻まれながら
大きく鳴きながら
フェイタンは赤い血で染まりながら



私達はどこまでも狂っていく。



快感と痛みはどこまでも狂わせていく。



逃げようとする私の身体を
絶対に離さないとばかりに掴むフェイタンの両手は、いつもより確実に力がこもっていた。






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