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「おまえ、そんなの持ってたか?」

何故かムッとした様子のジェイクが不意に指差してきた。指された自分の首元に手をやるレイナは指に当たる感覚に、ああ、と呟いた。

「引き出しの奥から出てきたの…今日デートだしお洒落しようと思って!可愛いでしょ?」

レイナは指先に光るネックレスをジェイクによく見えるように摘まんで、にっこりと微笑んだ。
年上とは思えない、その可愛いらしい笑顔に気が緩みそうになり彼はそっぽを向いた。

「…………男にもらったやつだろ?」
「え?うーん………」

ジェイクは少し鎌をかけたつもりだったが、彼女が言葉を濁したので、驚いてそちらを見た。

久しぶりのデート、立ち寄った喫茶店で楽しく時間を過ごすはずが……

「まさかレイナ………他に男が…!?」
「違う!違うわよ!」

ジェイクは慌てて首を振る彼女に、厳しい視線を送った。

「じゃあ、なんですんなり言えねーんだよ」
「……これは……その、…前に付き合ってた…」
「は?前の男からのプレゼント付けてくるやつがあるかよ!」
「…ご、ごめんなさい」

彼はため息をつき再び彼女とは別の方へ顔を向けた。
信じられない、と言ったようなジェイクの反応にレイナはしゅんとしてしまった。

「だってもう2年も前に貰ったものだし………そんなに怒らないでよ」

言葉をかけても機嫌の戻らないジェイクに彼女は仕方なくネックレスを外すとテーブルに置いた。
それはカシャッと音をたて、彼が視線を送ってきた。

「なんで外すんだよ」
「…嫌なんでしょ?」
「……付けとけ」
「………?」

意味のわからない彼の発言にレイナは戸惑った表情を見せた。

「俺が妬いて外させたみてたいで嫌なんだよ」

その通りじゃない、と彼女は心で呟きながらも、ネックレスをまた付けた。

「じゃあ、これで良い?」
「ああ」
「もう今度からはこれ付けてこないから許して?」
「…俺が、新しいの買ってやる…」

ふて腐れていたジェイクだが照れを隠しながら言っているのがわかる。
レイナはフフッと笑みを漏らした。

「嬉しい!そしたら毎日付けるね」

彼女の笑顔に、またジェイクは顔が緩みそうになり視線を外すと立ち上がって、彼女に手を差しのべた。

「ほら、もう出るぞ」

レイナはぶっきらぼうに言う彼の手をとってしっかり握ると、うん!、と明るく返事をした。



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貴金属に罪はない、というのを聞いて。
ジェイクは年下イメージが強いです。ヤキモチ妬かせたい。
130919

思い出せないファーストキス
title by Libido


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