※ゲンガーの思考回路が若干とんでます
※軽くDV表現あり






ねぇマスター、僕は昔誓ったんだ。まだ何の力もない小さな小さなゴースの時に、貴女は僕が守ると



マスターには笑っていてほしい。苦しんでほしくない。どんな時でも僕の大好きな笑顔で微笑んでいとほしいんだ。(そしてそのためなら僕はどんな事だって躊躇いなんかしない)



あれから沢山の時間が過ぎて、小さくて臆病だったゴースは強くなり、ゲンガーになった。
ずっとずっと一緒に旅をして。
どんなに苦しい時だって、マスターは僕らがいれば幸せそうに笑ってくれたのに。

僕の体をぎゅっと抱きしめたまま何も言わないマスター。
ねぇマスター、泣かないで、苦しまないで。
ほら、最近仲間になったばかりのヨマワルも心配そうにマスターのまわりをふよふよとただよってる。
マスターは何も言わない。
他のポケモン達も勝手にボールからでてきて心配そうにしている。
ほら、マスター。マスターは独りなんかじゃないんだよ。
僕らはちゃんと知ってるよ。マスターが何に苦しんでいるのか。


あ の 男 の せ い で し ょ う ?


今は出かけていていないけど(どうせまた違う女といるんだ)、マスターと一緒に住んでいるあの人間。
マスターの事を愛してると言った。マスターが幸せそうだったから僕らは何も言わなかった。

なのに。

あの男はマスターを裏切った。



あいつはマスターを


殴った


蹴った



あまつ、×××××ー(それも泣き叫ぶマスターを無理矢理、)



あわててボールから出ようとする僕らをマスターはいつも止めた。(どうして?)(愛していたから?)(マスターが傷ついているのはこいつのせいなのに!)


あいつは今朝もマスターを殴った。(マスターは何も悪くないのに)

限界だよ。
マスターは悲しむかもしれない。だけど僕らは、もう嫌だ。

マスターがどんどんボロボロなっていくのを見るのも
マスターの笑顔が見れなくなるのも



マスターの手持ちの中で一番冷静で大人な(というか彼がマスターを見る目はもう父親に近い気がする)ニドキングの方を見た。
彼は何も言わずに黙って頷いた。(僕のやろうとしている事はどうやらお見通しらしい)


あいつは裏切った。

(裏切り者には、死を)

マスターを傷つけた。怯えさせた。


笑顔を奪った。




僕らにとっては、十分すぎる理由。

だって、君の笑顔を守る事が、僕らの、





あの人間に呪いを



(ねぇマスター、怖がらなくていいんだよ)


(もうあの男は帰って来ないよ)




090425









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