「わあー…」

僕が思わず立ち尽くしてしまったのは、オジイの家の広縁で眠るサエさんと彼女があまりにも絵になっていたからだ。
ふたりの手はしっかりと繋がれていた。あれ、恋人繋ぎっていうんだよね。
投げ出された彼女の細い白い脚にサエさんの長いジーンズの脚が絡んでいてちょっとどきどきして目を逸らした。

「剣太郎、起こしちゃ駄目ですよ」

樹っちゃんの潜めた声に頷いた。

「…でもびっくりしたなあ、彼女、あんなに無防備に寝るタイプだったっけ?」

もっと人見知りする子だと思ってた。

「安心してるのね。サエと一緒だからでしょう」

さらりと言った樹っちゃんの台詞が胸に落ちた。

安心できる場所。
サエさんがそれを彼女にあげているんだ。



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