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風間さんと蒼架ちゃんの会話
















「迎えに来たぞ、我が妻よ―――」
「…っきゃああああああああああああああ!!」
「そんな悲鳴を上げるくらい嬉しいか。っとどこに行く? 俺はここだぞ」

「ち、千鶴っ!? どうしたの!?」


 カラリ、と音を立てて襖が開く。
 そこに立っていた人物は、千鶴には神同然の存在に見えた。…ような気がした。


「…っ風間千景…!」
「ふん…。……お前、斎藤蒼架とか言ったな。我が妻をこちらへよこせ「誰が渡すかっ!! 誰が!!」


 千鶴は蒼架の背中に隠れるようにして事の成り行きを見守っている。
 蒼架もそんな千鶴を庇うかのように一歩前へ踏み出して、風間の前に立ちはだかった。
 きっと、この時の蒼架は風間にとってとてつもないくらいの大きな障害に見えただろう。

 しかし、それを表情に出さないのが風間。


「風間千景…だったっけ? 渡すわけないじゃないあんたなんかに」
「なんだと…」
「千鶴ちゃんの好きな食べ物は?」
「俺だ」
「アホかっ! んなわけねぇだろこのナルシストが」
「…なんだと?」
「なんだとじゃないし! つか人間の肉って酸っぱいんだって。知ってた?」
「ふん。俺様がそんなことを………し、知らないと、でも…「見事にキョドってんじゃん。バカじゃないの」


 冷めた目線を向ける蒼架。
 どうやら、ここでは抜刀しての戦いは起こらなさそうだ。


「本当に噂通りのおぼっちゃまなんだねー。ガッカリだわー…」
「どう言う意味だ」
「言ったとおりだよ。だってこんな我が儘自己中挙句にナルシ。…うーわーなにこれ最悪三拍子揃っちゃってんじゃん…」
「誰が我が儘自己中挙句にナルシなのだ。というか"ナルシ"とは何だ?」
「そんなのも知らないの? ナルシストのことに決まってんじゃん。…うわー…予想してた以上にバカだわー…」
「それよりさっさと我が妻を「千鶴は私の兄様の妻ですよー。残念でしたー」…なんだと…っ」
「それよりさ、君、今日『なんだと』何回言ったよ」


 はんば呆れたように蒼架がため息をついた。
 ふ、と風間の姿が視界から消え去る。…刀が空を切った。


「あれ、戦う気? 私と? 本当に? 刀だけで?」
「…は?」
「は? じゃなくて。…ふふ、私に勝つんだったら術師を何十人か呼んでおけばいいのに」










「君、すごく弱そうだからすぐに終わりそうだね。時間余ったら千鶴、一緒にお茶しよ?」
「な…っ! 我が妻と幕府の犬風情が茶だと…? ふざけるのも大概にs「あはは、私と千鶴の会話邪魔しましたね?」









 その日、屯所の中には盛大な墓が出来ていたという。
 そして、墓標の代わりに(泥)団子が刺さっていたとかいなかったとか。
































 ちーさまが無事帰還できたかは、神のみぞ知ることである。

































(20130206:公開)

   


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